エリアリンク社長「時代を読む」の中で、世界の名だたるIT企業「GAFA⇒Google・Apple・Facebook・Amazon」はITを駆使しながら先見性とスピード感をもって時代を創っている。今まで考えられなかった事を、いとも簡単にやり遂げ、既存の考えをぶち壊して行き、既存の業態を一気に変えてしまう。現在起きている情報革命は、産業革命の何十倍、何百倍のスピードで世の中を動かしている。と言っておられます。
進化論は「この世に生き残る生き物は、「最も強いもの」ではなく「変化に対応できる」生き物であると言っています。
大きな変革期である現在のビジネス界においても同様であると実感します。
グローバル化する金融その要因は、先進国の企業が成熟化し、海外進出するようになり、それに伴う資金面での支えとなる金融がグローバル化し、金融機関自体も更に大きな資金の貸出先を求め海外進出を積極化していった。
さらに、情報技術の発達で、外国の株式・債権・預金等の売買も瞬時に行えるようになり、それらが金融のグローバル化を後押しすることになった。
本来金融とは、余剰な資金を貯めて、不足しているところに橋渡しをすることにより経済活動を活発化させるのが役割なのである。
しかしIT革命が進み、肥大化するお金を背景に、本来金融は裏方であるはずなのにいつの間にか主役の座につき、表舞台を引っかき回すようになったのである。
今銀行に代わり台頭してきているのが、資産運用会社・ヘッジファンド・年金基金等である。実業と結びつかない金融は、虚業となり実業の世界を脅かし、裏付けを持たない「お金」自体が独自の価値を形成する事になる。
金融のグローバル化が各国の経済、企業等に大きな役割を果たしていることは事実である。
世界の主要企業が抱える現預金は1,100兆円を超えており、拡大は止まらない。
低成長経済では有望な投資先が見当たらず、手元資金は肥大化するばかりである。国、企業、個人のマネーは拡大し、過去に起きたリーマンショックの様に一つの金融機関が破綻する事により連鎖的に各国の様々なものに大きな影響を及ぼす事となる。
金融のグローバル化の陰で、一部の富裕層によるマネーゲームによって国際市場が賭博場と化し、投機的な取引に横行されるようになると経済は悲惨な状況に追い込まれる。
世界を舞台に金融活動が行われるようになると、国を超えてやり取りされるお金の規模が大きくなるにつれ、多くの国の経済・通貨・金利等に大きく影響を及ぼすことになる。投機的なマネーは決して成長を生まない。
2013年より日銀による異次元緩和が始まり、まる6年が経過した。日銀によるとその効果は、第一に景気・物価情勢が大幅に改善している点を指摘している。第二に企業業績が改善しており、失業率・有効求人倍率が改善している点。
第三に為替相場の円安や株価上昇による効果が有る点。第四に中期的な期待インフレ率が弱含みから横ばいに転じている点を日銀は指摘している。
一方、副作用や将来の潜在的なリスクについて考えてみると、第一に大規模金融緩和にも拘らず経済全体に流れるマネーはそれほど増加していない点。第二に現在の様な非伝統的金融政策には副作用が有る点。第三にマイナス金利が金融機関の収益に及ぼす影響について問題が有る点。第四に日銀の保有する大量のETFやJ-REITは極めて異例であり、将来の大きな損失リスクをはらんでいる点。第五に大量の国債購入は、政府の財政規律を揺るがす事になる点である。
将来日銀が出口に向う時点で、長期金利の上昇で大きな国債評価損を出し、債務超過に陥るリスクもある。又その代償は国民負担になる事となるのである。
現在のような低成長経済では金融緩和になると、そのマネーが実需に向かわず投資に回る。現在の株価、投資不動産価格等々の投資商品は10年前と比較して軒並み高騰している。色々な理由はあるが、金融の緩和も大きな要因の一つである。銀行は企業が設備投資等に消極的であり、銀行の融資先は必然的に個人に向かう。その為に融資条件の緩和が図られ住宅ローン・消費者ローン・アパートローン、不動産担保ローン等は積極的に取り扱って来た。
しかし、さすがに消費者ローンは金融庁から待ったが掛かっている。
今年に入り、相続税対策等によるアパート建築も、サブリース問題が出始めてから、少し長期的な収益構造の見直しが入り、融資に慎重になり始めた矢先、スルガ銀行問題が発生した。
その問題はある不動産会社がシェアーハウスを次々と建築し需給関係を吟味せず会社員等の個人投資家に売却を行った。
それが可能になったのは、スルガ銀行が個人融資にのめり込み、売買契約書の改ざん、自己資金の通帳改ざん等々常識では考えられないような融資をしていたのが物件売却を可能にしていった。又、行員へのパワハラも発覚している。営業行員は過大なノルマを抱え上司から罵声をあび、強いノルマ達成への圧力を受け続けたのがその原因である。
先述の通り、日銀の低金利政策は銀行の利ザヤを縮小させ銀行の収益は急激に悪化している。都市銀行は国際金融市場で、信金以下は地元の零細企業との地道な融資で稼いる。しかしその中間に位置する地銀の立場は厳しく、必然的に融資条件の緩和で融資先を探すことになる。
現在、スルガ銀行問題が発覚し、金融庁は地銀全体への検査を急いでいる。
その結果、個人融資、特に投資家への融資付けの難易度が上がっており、不動産価格の下落の可能性のリスクもはらんでいる。
日銀の異次元緩和がいつ終わるのか、その為に金利がどれくらい上がるのか、銀行の融資姿勢がどの様に動くのか、特に不動産投資にとって大変に重要な動向である。
不動産投資指標には、表面・実質利回り、ROI,CCR,NPV,IRR,PAT等々がありますが、不動産投資は融資を利用して、レバレッジを効かす事が重要となる。
レバレッジとは「経済活動において、他人資本を使う事で自己資本に対する利益率を高める事」の意味であり、端的に言えば、「不動産収入-管理諸費用-支払利息=不動産実質収入/自己資本」であり、①借入を多くし自己資金を減らす事、②実質収入を増やす事である。
実質収入を増やすには、①借入金利を低くする、②管理費用をおさえる、③不動産収入を増やす事である。
従って、不動産投資が活発になるには、①銀行から100%に近い融資を引き出す事、②借入金利が低い事が重要である。
今後の銀行融資の姿勢が投資に大きくかかわってくることがお分かりいただけたでしょうか。
金融機関の融資姿勢が不動産投資に大きく影響を及ぼす事は自明の理であり、金利動向の行方と合わせ注視する必要が有ります。
宅地建物取引士・不動産コンサルタントマイスター
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
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