(平成22年3月号) 第63号
3月は三寒四温を繰り返し、徐々に暖かくなって来ます。高知県では16日の開花予測が出ており、近畿での桜の開花も近く、春はもう直ぐです♪♪
社会・経済構造が、かってないほど多様化し急速なスピードで変化しております。
先の読みにくい時代であり、過去の延長線上では、もうビジネスは成り立たなくなっております。
人口・世帯・ニーズの変化を捉え、新たな展開を図る必要が有ります。
今月号では、新たな展開の一つとして、リフォーム&リノベーションについて掲載をさせて頂きます。
【リフォム&リノベーションの考え方】
国は2010年3月8日に住宅エコポイント制度をスタートさせます。エコ新築住宅、エコリフォームに対し地球温暖化対策の推進及び経済の活性化を図る目的で住宅版エコポイントを発行する制度です。
又、3月5日の日本経済新聞に、都市再生機構は老朽化した中高層団地で、上層階を撤去して耐震性を向上させる「減築」などの新たなリニューアル手法の実験に乗り出したとの記事が掲載されておりました。
近年、鉄道駅近辺は古くから開発がなされており、駅近と言う好立地であるにもかかわらず老朽化したマンション、アパートが多いのが実態です。
今後は、このような地域の活性化が必要であり、それは建替えに限らず、バリアフリー・耐震・エコを取り入れたリフォーム&リノベーション工事が増加するものと思われます。
今後は国をあげての促進が図られ、良質な住宅ストックの活用が中心となってくることは必然であり、そのストックの活用をして行く上でリノベーションは不可欠になってくるでしょう。
【地域活性化策は】
地域活性化はその地域地域の特徴があって、その地域の住宅ストックをどの様に活かすかは、地域のニーズを良く知っている地元の不動産業者が担うべきであると考えます。顧客の細かなニーズを拾い上げて対応してゆくことで、顧客満足度を高め、付加価値を高めてゆくニッチなビジネスは、地域密着型の企業がやるべきであると考えます。
しかし、現実はそれがあまり機能していないのが実態であり、ニーズの変化に供給側が対応できていないのが実情であります。
今後は建築と不動産が融合した企業が出現し、地域密着の個人サービスで智恵を絞ってゆく時期が到来するものと思われます。
建築業は建築で、不動産業は不動産でとすみ分けをした偏った考えが押し付けられるようであれば、決して地域活性化の原動力にならないし、顧客の為にならないことになるでしょう。
【ニーズの変化の捉え方】
今後リフォーム&リノベーションをする場合、重要なのは入居者が集まるか如何かである? お金をかけて工事をしたが、入居者が集まらないのでは何の為に工事をしたのか分かりません。
その為に一番重要なのが「市場調査」であり、その地域の入居者ニーズの調査を行い、結果を分析することにより「市場で求められている物件」「人気のある物件」はどの様な物件なのかを導き出す事が重要であります。
又、今後そのニーズがどの様に変化してゆくのかを的確に捉えたリフォーム&リノベーションを行う必要があります。
具体的には、「間取り」「家賃等の契約条件」「立地・環境・利便性」「外観・物件の格・デザイン」「駐車場の有無」「遮音性」「設備・仕様」「セキュリティ」「日当たり」「管理の情況」を詳細に分析することが重要です。
全国賃貸住宅新聞にこのような記事が出ておりました。「供給の主流はファミリーから単身者向けへ」と題して、今後の世帯変化は単身世帯が増加することは事実ですし、現実にも30㎡~50㎡程度の部屋は建築後即入居が決まっているのが実態であります。顧客も二極化し当該物件の人気が高いのは必然ですが、極端に安い物件の人気もあるのが実態です。
現在の供給物件の大半は、この30㎡~50㎡の1LDK物件が大半です。今後長期的に見た場合、需要と供給のバランスが崩れるのは明白であります。
現状分析では正解でも、今後の展望を考えれば疑問が残ります。
【リフォーム&リノベーションの方向性】
それでは今後どの様な工事が必要とされるのでしょうか?
前述した「間取り」「外観・デザイン」「駐車場の確保」「遮音性」「最新の設備・仕様」「セキュリティ」が地域ニーズを捉えた工事であることは当然ながら、今後のことを考えるのであれば「バリアフリー化」「耐震の強化」「環境に配慮したエコ住宅」ではないでしょうか?
1) バリアフリー化は、高齢者をターゲットにするのであれば、今後老齢化が急速に進む事を考えれば当然必要不可欠であることは明白であります。
もう直ぐ4人に1人が65歳以上となる日本において、その住居確保は喫緊の課題です。
2) 耐震の強化については、老朽化した賃貸住宅について、入居者の耐震への関心は高く多くの入居者は不安を抱えておられます。
リノベーションの際は必要不可欠な要素と考えます。
3) エコ住宅については、近年その関心は高く建築資材、建築工法が地球に優しい(再利用可能、環境への負荷低減)モノを使用している。
太陽光発電、深夜電力を自動車に蓄電するシステム、売電等々を設備した住宅。その他多種の研究開発が進んでおりそれを取り入れたリノベーションは必ず必要となるでしょう。
【最後に】
最近の傾向は、家主主導から入居者主導の賃貸条件設定に急激に変化しつつあります。特に家主様より「なかなか空室が埋まらない」との相談が増加しております。多様化する顧客ニーズと、急速に下る賃料下での対応策は、①建物を最新のニーズにリニュアールする ②お金をかけないのであれば賃貸条件を緩和する以外に対策は少ないと思われます。
賃貸業者に対し、家主様は入居者を探してくれと言えば、家賃を下げるか、改装するかどちらかと言うが、それ以外に脳がないのかとよく言われます。
しかし、現状はこれと言った対応策がすくないのが現状です。
これをやれば必ず入居が決まると言われる程の何かを求めてあらゆる情報を集めておりますが、なかなかこれと言ったものが見つかりません。
多分、多様化する現在社会のなかでそのような決め手となるものは無いと思います。私の考える最善の対策とは、色々な、小さなハード面、ソフト面での対策の積み重ねであるのが答えではないでしょうか。
総合力が真価を発揮するのではないかと思います。是非、細かいところまで気を使い対策を講じてください。それが最善の対策であると考えます。
今後も皆様方のお役に立てる情報をお届け致します。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引主任者・不動産コンサルタント技能者
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
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