IT技術の変革によって、産業構造、行政のあり方から、個人のライフスタイルまで、社会全体が急激に変化してきております。
皆様も10年前の生活と比べ大きく変化した事を肌で感じておられる事と思います。特にスマホが普及し始めてからの社会は大きく変化し、今後も変わり続けるものと思われます。
その様な中、政府は「働き方改革」を推進しておりますが、働く場所として自宅近くで仕事ができる「職住接近」の環境作りの推進を行っております。
日本社会の生産性低下の一因である「通勤ラッシュの解消」、「女性・高齢者等の多様な人材の労働参加」で人手不足の解消を図り、労働生産性を高めて行く必要があります。
その一つとして、働く場所も硬直的な勤務形態が変化して来るものと思われ、今後テレワーク(情報通信技術を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方)が導入、活用されてくるものと予想されます。
テレワークの形態は、「在宅勤務」「サテライトオフィス」「モバイルワーク」等が有ります。
又、モバイルワークには「シェアーオフィス」「コワーキングオフィス」「レンタルオフィス」等があります。
テレワーク
在宅勤務 モバイルワーク サテライトオフィス
シェアーオフィス コワーキングオフィス レンタルオフィス
企業・団体が本拠地から離れた場所に設置するオフィスの事であり、一般的にはその企業等で働く社員の通勤や移動時間を短縮する目的で社員の住居に近い場所で設置されます。
又、在宅勤務ではメリハリが付けられずうまく働けない、自宅近くで働きたい人等、多様で優秀な人材の確保に繋がる。
複数の利用者がフリーアドレス形式で利用するオフィスの事であり、間仕切りがなく席を自由に選べ、営業の合間に使ったり、職場外で働くテレワークに利用したりする共用オフィスの事である。
又、自前で設備を整える必要がなく、安価であり、事務所としての高い機能も利用できるが機密性がないのが難点である。
シェアーオフィスと混同されますが、シェアーオフィスは作業の場であるのに対しコワーキングオフィスは、利用者同士が交流を図り、コミュニティを形成する場所である点が大きく違う点である。
新しい事業や、アイディアを創造したい人に利用されています。
★レンタルオフィスとは
個室でセキュリテイが確保されており、必要なオフィス設備が予め用意されているオフィスである。
新規事業を立ち上げる際、あるいは都心の一等地で安価に事務所を構える事が出来て信頼を得られる事で利用されることもある。
米国のウィワークはソフトバンクグループを率いる孫正義さんと、折半出資でウイワークジャパン(合弁会社)を日本で設立し孫さんは44億ドルを出資される事になっております。ウィワークはシェアーオフィスの大手企業である。
2018年12月18日の日経新聞で「シェアーオフィス都心ビル攻勢」と掲載されており、ウィワークが2018年2月に日本に上陸しわずか10カ月で全国11カ所にシェアーオフィスを展開し、19年末には30カ所に拡大する計画であると。
ウィワークは超高層ビルで複数階を確保したり駅前ビルを一棟丸ごと借りて出店しているが、高値圏にある賃料を長期で契約する事で不動産市況を過熱させているとの事である。
2019年4月16日の日経新聞で、「シェアーオフィス市場で陣とり合戦」と掲載されている内容は、急成長するシェアーオフィス市場で、貸会議室運営会社大手のTKP、世界展開するスイスのIWG、或いはウィワーク、日本勢のJLL,三井不動産、三菱地所も市場に進出し場所の確保に奔走しているとの事である。
2019年2月8日の日経新聞には、「ヨーカ堂、売るから貸す」と題し掲載されているのが、セブン&アイ・ホールディング傘下のイトーヨーカ堂は店舗内でシェアーオフィスの展開を始めると掲載されており、大型商業施設では競争が激化し、テナントの撤退が増えており、好立地で需要が高まるシェアーオフィスの誘致を行っているとの事である。
商業施設にオフィスを入れる動きは、丸井グループ、も誘致を行っており今後も他の商業施設でも誘致が進んでくるものと思われる。
この様に、多様な働き方によるテレワークの普及は益々進むものと思われます。
政府は、職住接近の環境作りの一環として、団地などの住宅地にシェアーオフィスや商業施設を設けられるよう規制を緩和し、柔軟な働き方を可能にするまちづくりを進めると言っております。
又、経産省・法務省は外国人企業家がビザを取得しやすくなるよう規制緩和をする方針である。現在の仕組みはではビザの取得には事務所の開設が必要であるが、一定の条件を満たした企業家はシェアーオフィスでも在留資格の取得を認める方針であり、優秀な外国人企業家の誘致につなげる方針である。
以上の様に今後はテレワークの中でも、サテライトオフィス、レンタルオフィス、シェアーオフィスの需要は益々高まって行くものと思われます。
現在貸しビルをホテル・医療施設・シェアーハウス等にコンバージョンする、或いはレンタル倉庫業者に一括貸しされている事例が増えておりますが、今後、貸しビル、貸店舗・貸倉庫等のテナント物件は勿論ですが、今後益々増加する空き家住居を含めた賃貸の形態が大きく変化して行くものと思います。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引士・不動産コンサルタントマイスター
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
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