テナントと言っても「店舗・オフィス・工場・倉庫」等々が有るが、CBREが行った今後のオフィスの需要調査では、入居者であるテナント側は労働者人口の減少、IT技術の進展によりオフィス需要は減少すると答えたのに対し、オーナー側は減少すると答えたのは3割で楽観的に捉えている。
確かに減少する要因は多い。しかし賃貸住宅需要と同じく立地による稼働率の差は大きい。
現在、国の推進する「働きかた改革」によりオフィス需要も大きく変わる可能性が高い。その一つにテレワークがあるが、情報通信を活用した、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方である。
在宅勤務をすればオフィスは必要ないが、住まいではなく現在の住まいに近い所で仕事をしたいと思っている人は、郊外或いはターミナル駅に近い、サテライトオフィス、レンタルオフィス、シェアーオフィス等々を利用する事になります。以上は一部の事例ですが、今後のテナント需要は時代と共に大きな需要の変化があるものと思います。
度々記載しますが、日本の人口は今後10年間で700万人減ります。又世帯数は2020年をピークとして減少して行くこととなります。
しかし、賃貸住宅は増え続けており2025年頃には入居率は厳しい局面に直面する事になると思われます。
その様な中、ミスマッチが起きている賃貸住宅市場は「高齢者」「ペット」「外国人」等々が入居可能な賃貸住宅です。
今月号は、ペット飼育可能賃貸マンションについて簡単に概要を記載します。
ペットの市場は活性化しており、日本の18歳未満の人口よりペットの方が多い状況となっております。
又、今ペットを飼っていない人が今後ペットを飼いたいと思われている人が6割もおられるとの調査もあります。
しかし現状の賃貸住宅でペット可物件は2割程度にしか満たないのです。
これほどミスマッチが起きている市場が有るのに何故ペット可マンションの数が増えないのか?
それは、
※部屋を汚されたり、傷つけられたりしないか?
※鳴き声等で近隣とのトラブルが発生するのではないか?
※退去後の臭いが除去できないで物件の価値が下がるのではないか?
等々上記の様な不安がオーナー側に有るのがその要因である。
単に室内でペット飼育を認めている賃貸マンションの事である。
ペット可マンションは既に賃貸市場では1分野として確立しておりますが、実際は空室が多くなると背に腹は代えられず、既存のマンションをそのままペット飼育可能マンションとして取り扱っている場合が多く、入居者は肩身の狭い思いをしながら生活しているのが現状であり、このような賃貸マンションが大半であると推測され、賃貸ニーズに合っていないものが多いのが実態です。
ペット飼育を前提に建築された賃貸マンションの事である。
最近は少しずつ増加傾向にありますが、この型の物件は大変に少なく全体の5%未満となっております。
ペット共生型マンションに備わった設備としては、「ペットの足洗い場」「玄関のリードフック」「玄関の飛び出し防止柵」「床はクッションフローリング」「張り分けクロス」等々の設置が標準設備してあり、ペット飼育者にとって
理想的な物件となっており、入居者の需要は大変に高い。
ペット愛好家を対象にした賃貸マンションである。
例えば、マンションの1階にペット同伴カフェがある、屋上にはドックランがある等々ペット共生型マンションの進化型マンションである。
従って、一般の飼い主にとって理想的な物件であり、家賃も高く愛好家が入居待ちをしている様な物件である。
ペット可マンションは飽くまで一般の賃貸マンションを「ペットを飼って良いですよ」としただけの賃貸マンションであり、中途半端で入居者を引き付ける要素は少ないのが実態である。
又前述のとおり家主様にとって問題点が多いのが現状です。
それでは、どの様な対策が必要なのかと言えば、単なるペット可能マンションではなく、ペット共生型にリノベーションする事である。
ペット共生型にすることにより、入居者も肩身の狭い思いをせずに済み、入居者に喜んで頂けることになります。
リノベーションも前述の設備を導入する小規模改装ですみますので、費用負担も少なくて済むのです。
※ 空室が減少し、入居期間も長くなり稼動率が高くなる。
※ 立地が悪くてもペット飼育環境が良ければ問題がない。
※ 家賃・入居一時金が高く設定できる為に収益性が高くなる。
※ 優良入居者が確保しやすい。 等のメリットがあります。
次に、ペットマンションの管理について、ペットマンションの管理はハード面・ソフト面両方の対応が必要です。
※ハード面については、前述をしましたが、新築をするのか、既存の物件をリノベーションするのかによりソフト面の管理も変わってきます。
但し、単なる現行の賃貸マンションのままペット可とすると、リスクが高いのは確かです。
※ソフト面の管理は、ハード面の管理よりもソフト面の管理が大事になってきます。
ペットマンションの管理は、ペットの種類によって変わりますが、要は犬や猫の習性を良く知ることが大切です。
例えば、猫はしつけを出来ないが、トイレの場所を覚えたり、静かに留守番も出来ますので犬よりは楽かも知れませんが、爪とぎ、糞尿トラブル等々の対策として犬よりはハード面の対応が重要となります。
逆に、犬の場合には躾をする事により大半のトラブルは防止する事が出来ます。躾をしないと無駄吠え等々のトラブルに繋がる事が多い様です。
ソフト面の管理はペットの種類によって対応する必要があり、種類による習性を良く知り対応をする事が重要となります。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引士・不動産コンサルタントマイスター
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
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