日銀の黒田総裁はさらなるマイナス金利政策、金融緩和に付いて可能性が有るとの示唆をしている。
一方、銀行は預金金利を下げられないのに、貸出金利はどんどん下がる状況に苦慮している。
その為、高めの金利が取れる個人融資に傾注し、銀行がアパートローンで活路を見出そうとしている。
その様な状況下、銀行の資産家に向けたアパートローンの増加で、不動産市場に「アパートバブル」の懸念が出ている。
低金利と相続税対策を背景に新築住宅着工はアパート等の貸家が2桁増と急増しているのが原因である。
節税をしたい個人と融資を伸ばしたい銀行側の思惑の一致である。
マイナス金地政策でローン金利が急低下するなかで、不動産投資は過熱化をしておりいずれ調整があるかもしれないとの懸念が有る。
膨らむのも早いが、縮むのはもっと早いと言うのが過去のバブルの教訓である
しかし、現在各地で開催されている不動産セミナーはどれもが熱気に包まれており、新たな家主であるサラリーマン家主の台頭もある。
相続税対策・投資組合(会社)・サラリーマン家主等々により、新たな賃貸住宅投資が進んでいる。
その様な状況下、問題なのは人口減少社会の日本で、果たしてアパート着工が適正水準なのか。
平成28年7月の全国の貸家新築住宅着工戸数は、前年同月比11.1%増と9ヵ月連続の増加となった。特に三大都市圏の中でも近畿圏が33.6%増と大幅な伸びを示している。
空き家が860万戸に達し、空室率は14%台となり、今後も引続き増加する予測がある。
人口が減るなかでの賃貸物件の急増は需給を悪化させ、将来の家賃下落が勢いづく可能性を含んでいる。
相続税対策でアパートの建設が急増したものの、入居者の確保が追い付いていないのが現状であり、各地のアパートの空室率は急上昇しているのが実態である。
アットホームのデーターによると首都圏の空室率は、空室率の適正水準30%を上回って来ている。
人口減少とマイナス金利政策のもとで、日本経済に新たな歪みが生じる恐れが否めない。
日本の賃貸物件の築年数の平均は「20年」を超えてきた。業界は大きな転換期を迎えている。
築年数が20年を超えてくると収支は一転して悪化する。物件の価値や家賃収入は減少の一方を辿り、借入返済負担割合の増加、所得税負担の増大、管理コストが増加してくる。
この事が賃貸業界に起こった大きな変化である。
この変化は単に入居者を確保することに注力するだけでは解決できない大きな課題となっている。
ネット中心の入居者集客は「仲介力の差」が無くなりつつあり、今後ネットやシステムで、自動的に申込が入る時代に突入する。
その際、「真の物件力」が成約の決め手となる。
要するに本物しか評価されない時代になった。その為には賃貸物件の物件力を付けるか如何かにかかっている。
物件力アップの究極は、物件のリニューアルがその対策となる。
リニューアルの企画は賃貸業界で働く全ての要素が集約される、総合力が必要となる。
アパートを建てるなら建築の専門家に、或いはリノベーションするならリフォーム会社にお願いするのは当然かもしれませんが、確かに「ハード面」建物を建てる、リフォームするのは完ぺきにやって貰えますが、その物件が入居者に受けるかどうかは別の問題です。
投資を成功させるためには、新築、建替え、リノベーションを「ソフト面」運用の専門家に任せる事が必要である。
賃貸仲介で得た入居者ニーズは物件力を高めるためには欠かすことが出来ない重要な要素です。
入居者の求めている設備、間取り、デザイン、等々をリノベーションに活かしてゆく事が必要不可欠であります。
又、その優先順位を決める事によって効率的なリノベーションが行えるのです。
リノベーションはお金を掛ける事で物件力が上がるのではなく、その様な要素を効率よく取り入れて行く事が必要なのです。
これからの、賃貸経営は単なる空室を埋める為の作業のみではなく、PM(プロパティマネージメント)を取り入れた経営を行って行く事が必要不可欠となります。
地域に密着した、新たな戦略を備えた業者とお付き合いをし、自ら勉強し経営をして行く事が必要であると思いますがいかがでしょうか。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引士・不動産コンサルタント技能者
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
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