とまとハウスの「耳より情報」
(平成27年12月号) 第109号
いよいよ師走となりました。
一年を締めくくり、良い新年を迎えましょう。
アベノミクスによる一連の政策により、消費や企業マインドが好転しているが、中長期的な課題は解決されたわけではない。
日本の人口は2006年をピークに減少に転じ、今後もこの現象は続いて行く事になります。
当然ながら人口の減少にともない労働者人口も減少します。
今後、勤労世代は毎年数十万人ペースで急坂を転げ落ちるように減って行く事になります。
そこで安倍政権が出した結論は、「女性の活躍推進」「高齢者の活用」「外国人労働者」での穴埋めである。
今回は、今後増加するであろう外国人労働者の受け入れ住宅をどの様に増やしてゆくのかを考えて行きたいと思います。
【外国人労働者のマーケット】
現在日本の外国人労働者数は平成26年末で、79万人(事業主からの届出数)であり、前年比9.8%の増加となっており、国籍別では中国39.6%、ブラジル12%、フィリピン(11.6%)となっております。
又、日本の外国人登録者数は191万人(総人口の1.5%)に達しており、過去20年間で2倍以上に急増している。
一方インバウンドの外国人は本年度で2000万人を超える勢いである。
アベノミクスによる一連の成長戦略で生産性を向上させる事はできるが、より抜本的な対策は、労働人口の急激な減少を食い止めるしかない。
日本の労働者人口の減少に伴い、外国人労働者の受け入れは、女性の就労問題・高齢者の定年延長と合せ政策問題として取り上げられ進められて行くものと思われます。
現在、日本の企業においては優秀な技術者が足りない状況であり人材募集に注力している状況です。
大学、語学学校等は学生不足から海外留学生の誘致に全力を上げており、又文部科学省が2008年から進める「留学生30万人計画」のもとに東南アジアからの留学生が増加しているのが実情である。
介護業者は人員不足からホームヘルパー等の介護職員を海外に求めている。
日本の外国人労働者の数は他国と比べ圧倒的に少なく、今後益々増加して行く事となり、外国人労働者が増加すれば当然ながらその住まいが必要となり、大きなマーケットを形成するものと思われます。
【外国人移民・移住の問題点】
わが国では、依然として外国人労働者の受け入れに慎重な意見が多いのは事実である。
具体的な意見(問題点)として
単身用のアパートにもかかわらず数人の住人が住みこみ、昼夜を問わず生活雑音がする。
生活習慣が違い地域社会との摩擦が起きる。
例題的には、燃えるゴミ、プラスチック、ビン、缶の分別方法を知らない。
日本語が話せない為に、周囲との摩擦が起きる。
公的な援助が受けられず、不就学の子供がいる或いは、不健康である。
文化的に異質過ぎて理解できない、治安が悪化する。
等々の問題がある。
以上の状況から、わが国賃貸住宅市場が既に供給過剰な状況にあるにもかかわらず、外国人に対しては、入居の円滑化が図られていない。
その他、円滑化が図られない理由として、連帯保証人の確保が困難な事による家賃の滞納の心配がある。
【外国人を賃貸住宅に受け入れるには】
今後増加する外国人を受け入れるためには、貸主側の既成概念(外国人は色々なトラブルが発生するのではないかという漠然とした不安)を払拭し、その対応策を確り立てれば、十分受け入れは可能であり、その対応が出来れば大きな需要が生まれる事になる。
その対応策として、事前(重説時)の十分な説明が必要であり、その為には外国語が出来る社員か外国語翻訳ツールを利用する事が必要である。契約書に外国語でその事を明記する事も有効な手段である。
国によって其々違うルールは事前に十分調査する。礼金(プレゼントマネー)が分からない、更新料はなぜ更新してあげるのに必要なのか分からない、海外では敷金は全額返金するのになぜ引かれるのか分からない、海外で考える原状回復(なぜ日本では新品にするのか)の意味が違う、外国では又貸しは通常でありなぜ日本ではいけないのか分からない、等々のルールの違いがあり確り把握した上での対処が必要不可欠である。
以上外国人の入居はトラブルが多いとの認識であるが、実は事前に良く説明をしておくと大半は起こらない事が多い。
事前の説明を確り行う事が問題解決に繋がります。
【具体的な対応策】
外国人に一番多いのは騒音のクレームである。その対策は事前の十分な説明と合せ、近所との顔の見えるお付き合いをする事は大変に有効である。入居前に、3軒両隣、上下階に挨拶をしてもらっておく事も大変に有効である。
ゴミ出しのルールを説明しておかなかった為にクレームがある、解約の手続きの説明をしなかった為に手続きを取らずに帰国してしまう等の問題も事前説明の不足から生じる。特に外国人には曖昧な表現をしない事である、外国人はイエスか、ノーである。必ず守ってもらうルールは書面に明記しておく事も必要である。
申込時の審査の対策として、パスポート、在留カード、外国人登録書等を提示してもらい身元確認等を確り確認する事である。
其々の確認方法は、パスポートでは顔写真の照合、筆跡、上陸許可書の有無を確認する。在留カードは90日以上在留者が外国人登録を行った場合に発行されるが、そのチェックポイントは日本での活動、その身分、地位、職業や活動目的を把握する事が出来る。在留期間1年、3年の人は日本での活動実績がある事が推察できます。就労資格がない場合は資格外許可書の提示を求める事が必要である。
又、クレーム等々の問題が有った場合の対処方法として、短期の定期借家契約にしておき、万が一、問題が発生した場合は契約更新はしない契約にしておくことも有効かもしれません。
【外国人住居者の募集方法】
アパート全体を外国人向けシェアーハウスに転換して募集する。
全室インターネットフリーする。
外国人は2~3年の入居が多く家具付きを好む為、家具家電を設置する。
賃料や初期費用を安くする。
保証人を無くして保証会社を利用する。グローバルネットワーク・クレデンス)
契約手続きを出来るだけ簡素化する
言葉のサービスを行う(翻訳ツール、英会話の出来る社員)
リピータ、口コミが多いので重要視する
外国人ポータルサイトを活用する(I&Fnetoworks“plus・Tokyoroomfinder・Gaijinpot・Beet・estate.jp)
等により募集をする事が有効であると思われます。
今後も皆様方のお役に立てる情報をお届け致します。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引士・不動産コンサルタント技能者
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
損害保険募集人一般資格者、証券外務員資格者
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