私は、会社経営に当たり、経営の書として常にそばに置いている書籍がありますが、それは、「正義の経営」船井総合研究所の五十棲剛史氏の書籍です。
私は、「正道を歩む経営」によって、当社に共感して頂ける多くの顧客とお付き合いをし、長く存続する会社を目指しております。
その為には、時代を超え親しまれ、信頼され、社会価値の高い理念に基づいて持続性ある経営をすることによりお客様に共感して頂く事にあります。
流行を追い、テクニックを重視し、押し売り型営業を行うことなく、長期的な視点に立ち、顧客視点に立脚しながら、会社を存続させてゆく経営です。
この書籍の通り、無理せず、焦らず、頑張らず、続けられるスピードで、亀の様な生き方が出来れば本望です。
今月号では、住宅の地価下落予想とその対策に付いて記載します。
【日経新聞9月1日号・住宅価格崩壊の可能性の記事を読んで】
2015年9月1日号、住宅価格崩壊の可能性、シンガポール国立大学教授の記事を読みました。
その内容は、全国の空き家は820万戸で空き家比率は13.5%となり、今後人口の減少から、需給関係が益々悪化し、又空き家は放置しておいた方が、固定資産税、相続税等のメリットが大きく、空き家は構造的に「ゾンビ」の様にどんどん増殖するであろう。
この様に土地利用が固定化されると、周辺地域に悪影響を及ぼし「負の外部性」をもたらす。その事によって都市、国の成長を大きく低下させる。
それでは「ゾンビ」は今後どうなるのか、家計にとって最大の資産である住宅価格の推移を予想する。
その要因は、
1)一人当たりのGDPで測定した生産性の変化
2)総人口の変化
3)老齢人口依存比率
が統計的にも有意な変数として推計された日本の住宅価格変動率は、2010年~2040年の30年間で、マイナス46%の試算結果となった。
このような問題を避けるためにどの様な施策があるのか。
1)人口の減少を押さえる為に、移民を受け入れる。2010年度の住宅価格を維持するには2040年までに4,000万人の受け入れが必要である。
2)高齢者人口依存比率を押さえるためには、定年及び年金の支給年齢を引き上げる。2010年度の住宅価格を維持するには75歳まで引き上げる必要がある。
3)女性の社会進出の促進である。女性の就業率を男性並みに高めたとしても、定年を70迄引き上げる効果よりは小さい。
以上3つの扉を同時に開いて行く事が必要であるが、さらには住宅の再資産化を図る様な制度インフラを整える必要がある。
若い世代へと円滑に移転させて行く事で市場が活性化する。
資産移転が進む中でリノベーション等での資産が再生される。
資産を金銭化する金融システムを構築する。
(金銭化する方法は、リバースモーゲージ・賃貸等の活用である。)
住宅資産を消滅させるのではなく、再生させる仕組みを構築して行く事が急務である。
以上が記事の抜粋です。
この記事の通り、家計に置いての最も大きな資産である住宅が、空き家化し、アセットメルトダウンにさらされてしまうと日本経済に大きな影響を及ぼす事になります。我々不動産業者として、微力ながら本施策を実現できるよう取り組まなければなりません。
不動産業者の出来る事は、「住宅を若い世代へ移転して行くお手伝いをする事」「資産を再生するための、リノベーション技術の向上を図る事」「資産を金銭化する賃貸技法の開発をする事」であると思われます。
社会の為に、当地において、地域活性化のお手伝いが出来れば嬉しく思います。
【若い世代への資産(住宅)移転について】
現在国策として税制面等において色々な政策が打たれておりますが、住居をどの様に若い世代に引き継いで行くのかについては、現在社会問題化しております「空き家問題」について最重要課題として取り組む事が重要であると思われます。
後述する、住宅の再成化、住宅の活用についての対応策は、空き家問題の大きな解決策の要因となるものです。
又、住宅の金銭化として、①住宅の賃貸を促進する事、②住宅を担保に借入をして生前の生活費等に充当し、本人が死亡した時点で住宅を売却し借入の返済に当て、残額については相続人が受け取ると言う金融商品「リバースモーゲージ」の取り扱いを増加させ、金銭化を行って行く事も必要である。
【資産の再生化について】
家計の最大の資産である住宅の再生化は、国、地方、の活性化の為に必要不可欠であると思っております。
私見ですが、各地方自治体が自地域の空き家に他地域の住民を移住させる為の政策を行っているが、その行為はパイの奪い合い(我田引水)で有り、国全体としての空き家数は何ら変わる事はないのではないか?
人口が減少して行く中、飽くまで住居以外への活用はないか? 外国人の住居にはならないか? 高齢者の集合場所として活用できないか? 別宅・家財置場として利用できないか? 等々の考えを巡らすことが必要ではないのか? と思っております。
その為には住宅のリフォーム、リノベーションの技術向上を図り、多種多様な活用方法を考案して行く必要があると思っております。
【資産活用の為の賃貸業務について】
住宅活用方法の一つとして、賃貸に出す方法もあります。
資産を再生する事は、住居として或いはその他の用途として利用することになり、その事は再利用者が賃貸として借り受けして利用する事になります。
その為には、その間に賃貸業者が介在することになり、我々賃貸仲介・管理業者は今後、空き家の活性化の中心的な存在として、研究、開発に努めて行く義務があると思っております。
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