新年あけましておめでとう御座います。
本年も何卒宜しくお願いを申しあげます。
【新聞見出しで見えてくるもの】
※中古マンション、価格上昇・3年ぶり首都圏全域で、金利の先高観など映す
※空き家自主撤去に税優遇、自民議連が法案骨子
※不動産投資海外勢けん引、割安感、ファンド呼ぶ
※投資用マンション好調、大阪価格30%上昇
※ものより資産、あふれたマネーが株や不動産と言った金融資産に向かっている。ゴルフ会員権も3倍に急騰したゴルフ場がある。
※住宅地上昇、大型分譲マンションの建設ラッシュ
※ビル賃料年内上昇へ
※企業の不動産取引倍増(REITによる積極的な物件取得がけん引)
※脱デフレ、運用で勝つには、預貯金中心見直す時期、不動産が効果的
※不動産大手物流に商機、不動産大手が大型物流施設に投資
※銀行住宅ローン消耗戦に
※金融庁銀行の査定尊重、不良債権処理優先を転換
※LEITに資金流入(運用不動産2兆円超す)
※銀行国内向け貸出残高増27カ月と最長に
以上最近の新聞見出しから、金融緩和による市場資金が急増しており資産インフレの兆候がうかがえる。資金を抱えた銀行も運用に苦慮している姿が見えるが最近は海外への運用、国内の貸し出しも増加傾向にある。
住宅においては消費税の増加に伴う駆け込み需要があり活況である。
経済指標の好転がみられるのは、円安による輸出の増加、金融緩和政策による株高等、財政出動による公共投資が要因である。
【今後に期待するもの】
学習院大学名誉教授の奥村氏は新聞にこのように書かれております。
戦後の高度成長を可能にした要因は「軍国主義の発生源とされた経済基盤の除去・財閥解体・農地改革・労働民主化3大改革」である。これらの改革が若手専門経営者の台頭、激しい企業間競争、農民と勤労者への労働分配の改革をもたらし、国内市場拡大に寄与した。
特定の人たちが利益を独占する収奪型ではなく全員参加型の体制の構築という制度要因によって国民的エネルギーが盛り上がり高度成長を達成させたことを教訓にすべきであると言われております。
過去の制度、慣行がそのまま維持されることなく変革が必要であります。
時代の変化につれて効率的に機能していたシステムが適応できなくなり、新たなシステムが求められる現在、日本の経済が長期停滞から脱出しきれない大きな要因の「構造改革の遅れ」を払拭することが今後の日本の経済の行方を左右することになります。
「アベノミクス」の「第一の矢・二の矢」で、金融緩和、財政出動の政策を実行し、ある程度の成果は実現したが、今後の長期的な成長を持続させる為には、第三の矢、四の矢に期待したいものである。
【不動産業界の課題】
今後の不動産業界の課題として、省エネ住宅(エコ住宅)、耐震化住宅、耐久化住宅(100年住宅)、高齢者住宅(バリアフリー)への対応が求められており、業界が挙って取組んでおります。
政府の方針として、開発型からストック重視の方向を打ちだしました。即ち欧米のように建てた住宅に長く住まいする事を提唱しております。
スクラップアンドビルドを繰り返すことは廃棄物の増加による環境汚染に繋がる。使い捨ての時代に終止符を打とうと言うものである。
しかし、現在の住宅は30年程度で経済的耐用年数が終わりますので、省エネを始めとした上記の住宅に建て替える需要と、現在の住宅を改良して行くリフォームの需要は確実に増加するものと思われます。
政府は、中古住宅の流通量を2020年には倍増させることを目標としており、その際に良質な住宅に改良されるよう奨励しております。
政策として、良質な住宅への補助金、業者が中古住宅を買い取り・改良して売却を促す方策としてその際の取得税の減額等の方針を打ち出しております。
賃貸住宅を含めた、ストックの活用は今後の課題であると思われます。
又、人口の減少に伴う空き家の増加は社会現象化しており、空き家対策も大きな課題の一つであると思われます。
【賃貸住宅業界の課題】
人口の減少と賃貸住宅の供給過多により、当然ながら空き家が増加し賃貸住宅経営に大きな打撃を与えることとなる。
現在、全国の平均空室率は23%であり、今後も増加するものと思われます。
昨年10月10日に行われた大阪での賃貸住宅フェアに行って来ましたが、多くのセミナーは空室対策であり、いかに多くの家主様が空室に悩まされているのかを思い知らされました。
今後も需要の減少要因は解消されない状況にあり、家主様の悩みは尽きないものと思われます。
今回の賃貸住宅フェアでもこれと言った空室対策はなく、リフォーム、リニューアルが中心のフェアでしたが、今後の賃貸業界の大きな変化を感じるとともに「空室問題」が大きな課題になって来るものと思われます。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引主任者・不動産コンサルタント技能者
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
Copyright(C) tomato house co.,ltd. All Right Reserved.