(平成24年2月号) 第86号
今年は一段と厳しい寒さが続いております、風邪をひかないよう注意をしましょう。
今月号では、土地活用について考察をしたいと思います。
【今後の地価予測】
戦後地価が一貫して上昇してきた要因は、日本が高度成長に沸いた時代と共に土地価格も上昇してきた。工業地域に多くの工場が建ち、働く場所の近くで住宅を求める人々が増加し、都市から結ばれる私鉄も延伸し住宅地がどんどん拡大して行きました。又人口も出稼ぎを求め田舎から市街地へと大きな人口移動が続いて来ました。その結果、人口の集まる地域の土地価格は上昇を続け昭和64年にピークを打ち、その後、右肩下がりで下落を続ける事となりました。 現在全国の公示地価は、ピーク時から半値近くになっております。 その原因は、成熟経済となり、その後もデフレ経済が続いて構造的な経済の停滞がその原因であります。それに伴う地価の下落は当然の結果であると思われます。 それでは、今後の地価はどの様になるのかを推測して見ますと、
① 今後もデフレ経済は当面続くものと思われる点。
② 人口が今後40年間で4,500万人(35%)減少する予測となっている点。
③ 企業の海外進出が進み国内の空洞化が顕著となるものと思われる点。
④ 少子高齢化により労働者人口が減少し国力の低下が予測される点。
⑤ 規制緩和が進まない事による外国からの日本投資が期待できない点。
⑥ 今後は遊休土地の放出が始まると予測される点。
等々を考えればよほど大きなインパクトのある事態が起こらない限り地価は下がり続けるものと思われます。
【土地活用の展望】
現在日本人の資産の7割以上が不動産であると言われております。 現在「耳より情報」をお読みの皆様方は家主様が多く、高齢者様であると思われますが、その世代の方々は、不動産によって資産を増やしてこられました。 従って今も不動産に対する思い入れは強く、よほどの事がない限り手放される事はありません。 しかし、今後は上記の通り土地は資産として成り立たない時代になりました。 逆にリスク資産となる時代です。国は多大な債務を抱えており、今後如何にプライマリーバランスを正常化し借金を減らして行くかを進めてくるものと思われ、土地の保有税、相続税等々の課税の強化がなされるものと思われます。 不動産はストックからフローの時代となりました。又今後の時代は我々の予測のつかない大きな転換期を迎えているものと思われます。 私たちはいま、考え方を180度変える必要に迫られております。 今後は現在お持ちの不動産を一度見直す必要があります、遊休地の所有か売却か、所有を続けるのであればその土地をどの様に活用するのか? 所有不動産全体から見た活用方法を見つけ出す必要がある様に思います。 資産を守る事ではなく、資産を収入源として活用する時代です。
【如何に活用するのか】
それでは、どの様に活用したら良いのかを考えた場合その方策として
1) 何のために活用するのかを考える 土地所有者のライフプランに合った活用をする必要があります。 やみくもに収益を求めるのではなく、現在の生活から将来の世代交代までを見すえた計画でなければなりません。
2) どの様に活用するのかを考える 不動産活用は大変長期に亘ります。時代を先読みした計画でなければなりません。活用プランを持ちこむ業者の計画を丸飲みにして行うことは危険です、あたかも官僚が目的を達成するための統計調査と同じではないでしょうか。自分自身で確り検証する必要があります。 どの様な土地活用をするのかは、その物件の特徴により多種多様な方法がありますので色々研究をして見て下さい。 又、税務面も最大限考慮する必要があります。相続税はもとより固定資産、都市計画税も侮る事はできません、年間50万円の差額が発生した場合10か所の物件があれば10年間で5,000万円も違ってくるのです。 多要素を考慮しながら検討して見る事が必要であります。
3) 誰とパートナーを組むのか?
土地活用は大変に長期的な戦略に基づく計画でなければなりません。 20年以上の事業となる事業パートナーを誰にするのかは大変に重要選択であります。 建築費が安いからとか、今の担当者が親切だからとか、単に現時点での姿(業態)ではなく今後発生する諸問題、或いは管理運営を長期に亘り一緒 にやってくれる、10年後20年後を見据えたパートナーを探すべきであると思います。
【最後に】
土地活用には一長一短があります、マンション経営から事業用物件である貸し倉庫、貸し工場、貸し店舗、定期借地、建物建築一棟貸し、等々 以下は時代の趨勢から判断した土地活用であります。 高齢化・・・・・・・・・高齢者住宅・医療、介護・健康、宅配販売業 環境問題・・・・・・・・スマートハウス・エコ住宅 独居世帯の増加、・・・・広めの1LDK住宅・コーポラス住宅 賃貸派の増加・・・・・・一戸建て賃貸住宅・高級賃貸住宅 人口都市集中・・・・・・都市型住宅、都市型物販店舗 サービス業の増加・・・・テナント IT関連事業の増加・・・事務所の小型化、在宅就労、地方テナント 開発型産業・・・・・・・研究施設、 以上以外にも今後の成長産業にかかわる土地活用は沢山あります。 逆に衰退産業に関連するものは当然減少して行くものと思われます。 発想の転換を図る必要が有ると思われますが如何でしょうか?
今後も皆様方のお役に立てる情報をお届け致します。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引主任者・不動産コンサルタント技能者
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
Copyright(C) tomato house co.,ltd. All Right Reserved.