とまとハウスの「耳より情報」 (17年12月号)
いよいよ師走となりました、世間はクリスマスムードでいっぱいです!! 「掉尾の一振り」と申しますが本年最後の締めくくりに最善を尽くし、皆様にとって良き年となりますように!!
さて、12月号では現在話題の建築物の耐震強度問題で、効率化と建物の質について考えて行きましょう。
「建築設計と耐震強度問題」
現在報道で、姉歯建築事務所が構造設計の段階で耐震データを偽造し建築したマンション、ホテル等が退去勧告、営業停止になり社会問題となっております。
構造設計業者、意匠設計業者、建築施工業者、民間許認可業者、国土交通省等の各々が責任の転嫁を行っておりますが、魔女狩りをする前に入居者の安全を確保する必要があるように思います。その後、各責任を司法の場で明確にし、今後の再発防止に全力を尽くす必要があります。
今後「他の業者が同じことをやっているのではないか?」「まだまだ他に同じ物件が出てくるのではないか?」「一戸建て住宅でもあるのではないか?」「家主様の賃貸物件は大丈夫か?」等々、我々の身近な問題として不安が募る思いです。12月5日の日経新聞に「うちは大丈夫?」相談急増と出ており、建築事務所協会等に問合せが急増しているそうです、気持ちは良く分かります!
「何故このような問題がおこるのか?」
資本主義社会では効率化の追求を最優先します、大手は規模が大きく当然コストを下げる事には有利な条件が整っております。オンリーワン(他に無い商品を開発する)戦略を目指す業者は別として、一般的な中小業者は大手に対抗すべく限界までコストを下げることに全力をあげます。そこに落とし穴があるように思われます。
今後も建築業界を問わず、法律を犯してまでコストを下げる非常識業者は後を絶たないように思われ監督官庁の厳しい監視と、罰則が必要であります。
しかしながら、我々も自己責任があり自分でよく勉強し対応する必要があります、今後は益々欧米の様な自己責任重視社会の様相が強まるように思われます。
逆に、企業側の姿勢として「ユーザーを軽視する企業、ユーザーのニーズをつかめない企業、企業側の一方的な倫理を押し付ける企業」は今後生き残る事は出来ないように思います。
「我々の対応策」
私は時々入居者ニーズを全く無視した賃貸物件を建築業者が計画をされ施工されようとしているのを見受けます。現在の顧客ニーズは「部屋が広い」でありますが、未だに狭い部屋の新築物件があります、計画段階で収益を重視するあまり部屋数を多く取れる設計になるのは理にかなっておりますが、顧客ニーズを無視して長期的な収益確保は難しいように思われます。
この事も、効率化を重視するあまりの落とし穴かも知れません。
今後、建築の際耐震問題に限らず、何事も自己責任を重視し、他人を頼るのではなく自分で良く勉強し、わからない事は身近な第三者に聞くなり、今後増加すると思われます独立した第三者機関に依頼し調査してもらう等々の対応を図り自己防衛に努めて頂きたいと心から願っております。
今後も皆様方のお役に立てる情報をお届け致します。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引主任者・不動産コンサルタント技能者
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
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