(17年6月号)
いよいよ梅雨のシーズンに入ります、「ムシムシ」「ジトジト」した日々が続きます体調に気を配り過ごしましょう。
さて、6月号では「無認可共済」について考えて見ましょう。
「無認可共済とは」
本年3月11日、金融庁から法案が提出されました「保険業法の一部を改正する法律案」と銘打ったこの法案は、消費者保護の観点から「根拠法のない共済(いわゆる無認可共済)」に対し、現行の「保険業法」を一定の範囲内で適用しようとするものであります。
そもそも、わが国における「共済」は、法律上の正式な定義はない。広義では「団体構成員の相互扶助精神による助け合い」であるが、実際には各共済独自の解釈となっているのが現状であります。
根拠法のある共済は(JA共済、都道府県民共済、全労災、COOP共済等)で主務官庁監督下で事業運営をしているのに対し、無認可共済は考えの基礎となる「根拠法」を伴わず、独自の基準や倫理観で事業運営を行っている。近年これらの事業者は急増しており事業形態の多様化も進んでおり、保障(補償)内容も多岐にわたる。
「今後の問題点」
私どものところにも、沢山の共済から取り扱いの依頼があります。内容をよくお聞きしますと、我々の困っている事がらを上手く捉え商品にしている共済も多くあります。例えば「競売退去保障特約」をつけた借家人賠償保険(競売での強制退去の場合の保証金返金、退去費用等の保障)の様に一般の損保会社では出来ないような多様な商品もあるようです。
しかし、無認可共済は事業団体の把握が難しく、「総加入件数」「共済金支払の実態」「責任準備金の実態」「財務内容の公開」等を明らかに公開しているところは少なく実態が把握し難いのが現状です。
あるデーターを見ると、無認可共済では契約者への保険金支払いの原資として責任準備金を用意しているのは半数程度であるようです。
従って今後支払いに関するトラブルも懸念されます。
「火災共済について」
現在、賃貸業者がお部屋を斡旋する場合殆んどが火災保険(借家人賠償責任保険)を掛ける事を条件としおります。保険の内容はお部屋を大きく損傷した場合、或いは建物全体に及ぶ損害を及ぼし家主様に対する賠償が必要になった等の損害補償が主な目的です。
共済の補償も民間の「借家人賠償責任保障」と同様でありますが、問題点は、借家人が一連の契約手続きのなかで加入するため、「保険」ではなく「共済」である事を知らないで加入されるケースが多く、万一の際に十分な補償を得られなければ問題が発生します、又家財の補償が付帯されていても共済の場合は損害保険料控除が受けられないため、加入時の十分な説明が必要ではないかと思います。
今後国会に現在提出中の法案の行方と、法律施行後の共済事業団体の対応を注目する必要があります。
今後も皆様方のお役に立てる情報をお届け致します。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引主任者・不動産コンサルタント技能者
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
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