平成17年2月号
2月号では、~賃貸派? 持家派?~ について考えてみました。
戦後政府は、持家を「福祉政策」と位置づけ、実態は「経済政策」の一環として、税制、金融面等で数々の恩恵を付与してきました。
その為、国民は賃貸住宅より持家がはるかに得であると言う印象を国民に与えてきました。
しかしここにきて状況が変化してきているようです、以下にご説明いたします。
最近の国土交通省による「土地問題に関する国民の意識調査」借地借家志向の理由を聞いた結果 (平成16年1月、3000人に対し実施、回答率75%)
1) 年齢、収入に応じて住み替えをして行くには借りる方が良い 44%
(5年前より16ポイント上昇し第一位となった)
2) 子供や家族に土地建物を残す必要がない 31%
3) ローン返済などで生活水準を落としたくない 25%
土地白書によると
1) 土地は預貯金に比べ有利な資産である
平成5年 62% 平成9年 49% 平成14年 33%
2) 持家志向か、借家志向か(持家志向だと回答した比率)
平成8年 88% 平成 14年 81%
3) 将来持家が有利だ
平成5年 67% 平成9年 48% 平成14年 36%
最近の傾向
若年層では、賃貸派が増加しておりその理由として
1) 最近の地下下落から、持家は資産と言えなくなった。
2) 借入れリスクがある、住宅ローンは20年~35年と長期の返済となり長期予想はつきにくく借入金のリスクを考える必要がある。
3) 賃貸は年齢、収入に応じ住み替えが自由で、ライフサイクルに応じた住み替えがし易い。
以上の通り、最近の新聞、雑誌での話題(住宅ローン破産や自殺、企業のリストラや倒産)、や将来負担(年金問題や増税等)の増加によるによる将来不安、或いは住宅志向の多様化や雇用の流動化にともなう住み替えの増加などの理由であると考えられ、今後益々賃貸志向が強まるものと思われます。
最後に
特に欧米では賃貸住宅派が「60%」であり、日本の40%を大きく上回っております、今後日本でも賃貸派が増加することは十分に考えられます。
又、欧米と比べ日本の住宅の質は悪く、住宅寿命だけを比較しても、欧米では79年~141年ですが日本では30年と短命です。
今後、住宅のキーワードは質の改善です。
私見ですが、将来地価が上らない、国の借金が700兆円に達しようとしている状況下で将来消費税、社会保険等での国民負担が増加することは明白であり将来不安が払拭できない、不動産の証券化等で賃貸の所有と運営の分離傾向からプロの運営会社による賃貸経営が急増しており今後、賃貸住宅の質の改善が急速に進むものと思われます。
今後の家主様の対応として、賃貸人口は増加しますが、賃貸住宅を建築すれば入居者が自然に決まる時代は過去のものとなりつつあります。
賃貸経営の研究を進め近代的な賃貸経営をしなければ空室の増加は益々進むものと思われます。
私ども「とまとハウス」ではスタッフ一同新たな賃貸経営の研究を重ね皆様方と共に地域の賃貸住宅の質の改善に努めて行きたいと考えております。
今後も皆様方のお役に立てる情報をお届け致します。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引主任者・不動産コンサルタント技能者
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
Copyright(C) tomato house co.,ltd. All Right Reserved.