(18年9月号) 第23号
9月に入り、漸く朝夕過ごしやすくなってまいりましたが如何お過しでしょう?
寝不足も少しは解消されそうです。
7月26日に大阪高裁で敷引きについての判決がありましたのでご紹介致します。
7月26日に下された大阪高裁の判決で敷金返還を訴えていた借主が勝訴した。裁判の内容は、借主が平成13年8月に「大阪堺市の」賃貸マンションに入居、家賃8万円、敷金62万円(駐車場の保証金を含む)、敷引き50万円で契約した。その後約3年を経て退去の際、式引き50万円を不服として「堺簡易裁判所に」提訴し借主の全面勝訴となる、続く大阪地裁でも敷引特約は無効と判断され、修繕費用約11万円を差引いた51万円を返還するよう命じた。続く大阪高裁でも地裁の判決を支持し判決が確定した。
今回の訴訟は、初めて高裁レベルでのより高度な司法見解が示された事が注目される点であります。
今後「敷引制度」と言う慣習が、消費者保護法の法律を根拠に否定された事をきっかけに大きな転換を迎えることになると思われます。
賃貸物件の証券化に伴い、賃貸管理のプロであるPM(プロパティマネージメント)が本格的に賃貸管理業を行うようになり、又仲介の大手全国チェーンの躍進等で、敷引制度自体の存続が危うい状況です。
しかし、この制度が一挙に消失することはありえませんが、市場からの要請で徐々に廃れていくか、行政の取組でルール作りがなされるか、いずれにせよ敷引金の制度は将来見直される状況です。
私見ですが
京都の場合は敷引特約を取り入れている契約が少ないようですが敷金の50%未満の敷引きは現在のところ認められているようです。
しかし、今後は京都での敷金、礼金制度についても問題が出てくるように思っております。
昔のように借手が多くいて貸主が強い状態から、現在は逆の状態になっております。人口の減少に対し、ファンドによる大規模賃貸住宅が一挙に供給され賃貸の需給関係が大きく変化してきております。
今後は、一時金(敷金、礼金等)から原状回復(改装費)を引く事は、著しくゼロに近くなってくるものと思っております。
自然損耗、経年劣化等の改装費は家賃に含まれるとの見解が大勢を占める時期が近づいているようです。
今後も皆様方のお役に立てる情報をお届け致します。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引主任者・不動産コンサルタント技能者
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
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