(19年7月号) 第32号
いよいよ梅雨の末期、温暖化の影響で各地では異常気象が発生し、九州地方では大雨で災害が出ております。他人事ではなく、皆様方も十分にお気をつけ下さい。
先日弁護士によるセミナーで、「更新料」についても今後は「敷引制度の問題と同様に認められなくなるよう活動を進める」と言っておられました。今後どうなるのでしょうか?
1) 更新料の是非をめぐり訴訟が起こされている。
更新料のある契約は全国的に行われている訳ではなく、主には東京・京都が中心であります。その他の地域から来られたお部屋探しのお客様は更新料についてよく理解されていないのが現状です。
東京・京都は学生さんが多く、需給関係から借主側の立場が弱い状況であり発生したといわれております。 又学生の場合は入居時に高額の入居一時金をとりづらいこともあるようです。
さて、更新料の是非ですが、マンションの賃貸契約を更新する際に更新料を課すのは消費者契約法に違反し無効だとして、京都市北区の男性会社員(52)が京都簡裁に提訴しております。更新料の無効を求める訴訟は全国で初めてといわれております。今後の審理を注目する必要があるようです。
しかしながら、今後の流れとして敷き引き、礼金、更新料等は家賃に含まれるものとして取り扱われる方向にあるようです。
2) 今後の更新料是非の方向
前項で申しあげた通り、今後更新料は無くなる方向にあるようです。しかしそれでは家主様にとって収入が減り賃貸住宅経営が困難になるのではないかとの
疑問がありますが、敷引き、礼金、更新料等は家賃に上乗せされ、消費者にとって分かりやすい方式にするのが正しい方向であろうと思われます。
その上に立って、正常な家賃価格の競争を行う必要があるようです。
3) 契約更新手続きの実態
弊社で管理させて頂いている賃貸物件では、更新手続きもさせて頂いておりますが、更新手続きの際更新契約を作成し更新手続きを行っておりました。しかし入居者が滞納等で保証人に迷惑をかけた場合等に、保証人が更新契約の保証を拒否するケースがあり苦慮致しておりました。現在では契約の際次回の更新は自動更新にした上、下記のような文面を特約に記載し契約を行っております。
「契約期限終了後も更新して契約を継続する場合、賃借人は更新料として旧家賃の?ヶ月分を合意更新・法定更新を問わず、?年経過毎に賃貸人に支払うものとする。」
法律解釈
☆更新手続きをしない⇒法定更新(自動更新)⇒民法による(原契約同条件で
更新、しかし契約期間は期限のない賃貸借となる)⇒更新料はもらえない
☆更新手続きをする⇒合意更新(更新手続)⇒借家法による(原契約と同条件同期間で更新される)⇒更新料はもらえる
弊社では、原契約作成時に自動更新(法定更新)とし契約を致しておりますが、上記特約文により更新料を受取った時点で合意更新となりますので、保証人の保証を拒否することが出来ず、尚且つ合意更新となる契約としております。
以上今回は更新料についてのお話でした、法律の解釈は判例により変わります、又判例は時代とともに変わって行くものです、現在でよいことが今後ダメになるかもしれません。
常に勉強しながら、時代に合った対応が必要かと思われます。
今後も皆様方のお役に立てる情報をお届け致します。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引主任者・不動産コンサルタント技能者
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
Copyright(C) tomato house co.,ltd. All Right Reserved.