(平成20年11月号) 第47号
いよいよ秋本番、京都も観光客で賑わっております。
紅葉も鮮やかに色づき、見ごろを迎えております。
是非出かけてみては如何でしょうか?
今月号では、今後の賃貸住宅需要について考えてみましょう。
【住宅戸数と世帯数】
今後の賃貸住宅需要を考える前に必要なことは、根拠となるデーターを知る事が重要であります。そのデターは多種多様ですが最低限賃貸住宅戸数と世帯数の推移は押さえておく必要がありますので、以下にその概要を記載いたします。
平成15年現在で総住宅数5389万戸、それに対し総世帯数4726万戸であり、その差が空家となり659万戸もあります。平成15年以降も住宅着工数は高水準で推移しており、最新の調査が進むにつれて空家は増加して行くものと思われます。
上記空家の内賃貸住宅の空家は、平成15年現在で367万戸となっており、現在では相当数の空家があるものと推測されます。
一方、人口は既に昨年より減少に転じておりますが、世帯数は平成22年~27年の間にピークを打ち減少に転じるものと予測されております。
なぜ人口が減少するのに当面世帯数が増えるのかの疑問がありますが、その理由は「若年者の晩婚化、離婚の増加、子離れ高齢者、一人になった高齢者等」、一人暮らし或いは夫婦のみ、親1人と子供の世帯が増加し人口減少とのタイムラグがあるようです。
従って、今後住宅戸数の増加に伴い空家が増加しますが、それに対し世帯数は減少する為、賃貸住宅需要は益々厳しいものとなると思われます。
【世帯構成の変化】
高齢化の進展で、急速に世帯主も高齢化が進展すると考えられます。
賃貸住宅の主な居住者は比較的若年層に偏っており、高齢者世帯数の増加は民間賃住宅世帯数を減少させる可能性を持つと考えられる。
一方前述の通り、世帯構成が独身世帯或いは二人世帯が増加する予測となっており、特に地方圏においては、世帯数の減少と高齢化の影響をより強く受けるためその現象が顕著となる可能性が高いと思われます。
従って、世帯構成の変化に伴い、賃貸住宅ニーズの変化も考えられます。
入居率を維持するには?
賃貸住宅戸数の増加と世帯数の減少による賃貸住宅需要の減退、或いは少子高齢化による家族人数、年齢など世帯構成の変化等々の進む中、今後賃貸住宅の入居率を維持する為にはどうすれば良いのか、家主様の悩みは尽きません。
戦後、世帯数に対し住宅戸数が不足した状態から、現在は住宅ストック数が世帯数を上回り、今後は質への転換が迫られていると思われます。
【ニーズを捉えるには】
若年層の賃貸指向は高いが、今後若年層は少子化により減少することは明白である、一方40歳以上の賃貸住宅居住世帯数が上昇傾向にあり、その年代の単身世帯数が増加していることから、今後はその年代の需要が増加することも考えられます。特に65歳以上の世帯数が増加する事から、その世帯の取り込みは効果が高いと思われます。
統計から、3人上の世帯(ファミリー層)が減少傾向であること、単身世帯が増加していること、また同じ単身世帯でも20代、40代、70代では、所得、居住場所、居住面積、生活習慣等が大きく異なるため、其々の層の違いを認識したマーケティングが必要である。
また、住まいに自分らしさを求める団塊ジュニアの様に生活様式の大きな変化から賃貸住宅ニーズを捉える必要があるようです。
【質の転換】
前述の通り、ユーザーニーズの変化のスピードは速めており、需給のギャップは広がっております。
ファミリー世帯の減少、単身世帯の増加から、最近は広くて間取りの多い住宅より、一室が広いコンパクトな間取で30㎡~50㎡程度の広さの1LDKに人気がある。さらに外出する機会や留守が多くなる世帯は、便利な場所で、セキュリティが充実し安心感がある物件ニーズが高く、そのニーズに対応した住宅を供給する必要があります。
車に乗れない高齢者は益々便利な都心に住いします、中心部の50㎡程度のワンルームを建築するのも良いのではないでしょうか、但し20㎡以下のワンルームマンションは今後一層厳しくなります。
家主様にとって少し厳しいようですが、立地、利便性、建物グレード、設備などに優れた物件しか生き残れないようになるのではないでしょうか。
【最後に】
今後賃貸住宅の新築をする場合は、現在或いは未来のユーザーニーズに合致した建物を建築しなければ時代に取り残されると思われます。
また、既に賃貸マンション等をお持ちの方は、入居率を維持するためには、建物のメンテナンスを常日頃より心がけ、設備、仕様などが時代遅れではないかを考えておく必要があります。
思い切ってリフォーム(新築に近づけること)或いはリノベーション(新築以上のものに仕上げること)を行い、入居率向上を実現したいものです。
【とまとハウスよりのご提案】
弊社では、賃貸住宅管理を通じ常に地元のお役に立ちたいと考えております。
貸手市場から借手市場に変化した現在、如何に入居者の回転率を上げるかではなく、長くお住まいして頂くことこそが入居率を上げる秘結です。
そこで当地の賃貸住宅に住まわれている方に「とまとハウス」が主体となり「地域のコンシェルジェサービス」を行うのは如何かと思っております。
コンシェルジェとはホテルのサービスを思い浮かべます、フランス語で賃貸住宅の管理人の意味もあります。
入居者より衣類、靴のクリーンング、家事、掃除代行、食材の宅配、レンタルトランク、タクシー、レンタカー、宅配便、エステ等々の手配、クリニック、金融機関、公共機関、家庭教師等々の紹介までをするサービスです。
皆様方のマンションにお住まいになっておられます入居者様に対し当該サービスを行い、入居者に長くお住まい頂ける対策の一環としてご提案申しあげます。
皆様方のご意見等をお待ち申し上げております。
今後も皆様方の、お役に立てる情報をお届けいたします。
今後とも宜しくお願いを申し上げます。
今後も皆様方のお役に立てる情報をお届け致します。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引主任者・不動産コンサルタント技能者
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
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