(平成21年1月号) 第49号
新年あけましておめでとう御座います、昨年中のご支援に感謝申し上げますとともに、本年も何卒宜しくお願いを申しあげます。
今年は政治、経済、全てが激変の年になりそうです。
世界的な金融危機が実体経済に大きく影響を与えております。今年はどの様な年になるのでしょうか?
昨年9月のリーマンブラザースの破綻から、たった3カ月で急速に実体経済に大きな影響を与えております。
原因は円の独歩高であり、世界的な消費の低迷であります、日本の輸出産業の業績が急激に悪化し、その裾野は広がるばかりです。
失業率は6%を超えるであろうと言われており100万人以上の失業者が新たに出るものと思われます。
当然生活防衛から消費は低迷し、益々実体経済は悪化の一途となることとなります。
又今後CDS(credit default swap)債権担保証券と言われる金融商品の毀損が大きく6京円~8京円とも言われる巨額な金額の金融問題が表面化すると言われております。
今回の金融問題は底が見えなく、金融のプロでもよく分からないのが実態です。
一方、政治は遅々として進まず、対策も旧態依然とした政策に終始している状況であり、益々政治が民意からかけ離れて行っているように思われてなりません。
この様な現状から、今年は不況の年であり、政治は再編の年であろうと思います。今は過去の方向が180度変わろうとする転換期の苦しみの時期ではないでしょうか?
時代が変われば又素晴らしい未来が待っているものと確信致しております。
【今後は】
輸出産業は壊滅状態、内需拡大は出来ない、国会はネジレ状態で法案が通らず言わば「四面楚歌」の状態であります。
しかし、まだまだ国内で出来ることはあるように思います、農業、医療、介護、教育、健康、国民が改善を望む産業は全て成長産業です。
円高と言っても、まだまだ日本の企業は競争力があります、グローバル化が進展するなか、円高も加わり「海外企業の買収」が容易となり新たな展開も予測されます。
今後も日本の企業が持続的な成長を維持する為には、新興国市場に注目し、特にBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の市場開拓が必要不可欠であります。
2008年12月26日の日経新聞トップ記事として「日本企業、中国向けネット通販開始」の記事が掲載されました、中国「銀聯」と三井住友カードとが決済で提携し、日本企業100社が中国市場を狙い日本の商品を販売しようとするものです。 インターネットの普及から日本商品のグローバルな販売が可能であり今後の動きが注目されます。
【国内では】
年金問題、医療制度問題、介護制度問題、国民負担の増大等々、現在の日本国民の大半が将来の不安を抱えております。政治が国民の将来の安心を示してもらえれば、国民は安心してお金を使うものと思われ、1500兆円と言われる貯蓄を少し消費に回せば、消費拡大につながることでしょう。
今後の政治政策に期待したいと思います。
【住宅産業は】
住宅も政策次第では内需拡大に大きく貢献する産業の一つであります。その裾野は広く、住宅一戸の影響は、家電、家具、住宅設備機器等々と広がります。
しかしながら現行の新築住宅は全く売れる気配がなく不動産業界の不振の原因、となっております。その要因は以前の「耳より情報」で記載したとおりです。一方、住宅の数は充足されたが質が伴わないのが現状でありますが、今後は、開発型(新規住宅)の供給は減少しますが、質への転換型の供給はまだまだ伸びるものと思われます。
質への転換とは、100年住宅、省エネ住宅、等の「環境重視型住宅」、ライフサイクルに合った住宅等の「居住環境改善型」、横並びの住宅ではなく個性のある「コンセプト型住宅」等々への転換であります。
現実に、LEDを活用した省エネ型オール電化住宅、長期間メンテナンスのいらない住宅等は本年度中に発売されると思われます。
今後は住生活の個性化からコンセプト住宅の供給が増加するでしょう。
我々もその方向に対応する対策が必要不可欠であり、その対応が出来る業者が生き残れるものと思っております。
【最後に】
今年は、金融問題の底が見えない不安が顕現化する激動の年となることは残念ながら否定することはできません。
資本主義とは富を持つ資本家が、人(従業員)、物(工場等)、金(資本)で
利潤や剰余価値を生む社会システムであるが、近年はそのシステムが暴走し始めた感が否めません。莫大な資金を持つヘッジファンドが石油等に投資し莫大な利益を得ていることはその典型ではないでしょうか? 資本主義は勝者が生まれればいれば必ず敗者が生まれるシステムです、それが近年少数の資本家に急激に富が集中しております。今日本では非正規社員の首切りが横行いたしておりますが、会社の為に人間があるのではなく人間の為に会社があるべきであります。
一方人間は、自己中心的で強欲で果てしない欲を追及し、物は溢れ、自然を破壊し、他の生物のいとなみを踏みにじって、人口はここ40年で30億人から60億人に倍増し、尚増え続け地球を我が物と勘違いしているのが現状です。
今はこの様な状態が変わる時代の変革期で、新たな時代の苦しみが噴出しているものと思われます。
今後の生き方として、皆が我欲を少なくし、他人を思い、自身が正しい生き方をすることが今後の時代を生き抜く秘訣であると思っております。
「本田総一郎」様がこのような事を言っておられます
【つねに正しくあることこそ自分を一番強くすることである。最後の勝利を決するものは正しいか否かと言う事であって、強いか弱いかが勝負を決するものではない】
本年は激動の年と思われますが、考え方によってはチャンスの年でもあります。縁あってなにかの繋がりをもって「耳より情報」をお届けいたしておりますが、我々の新年が素晴らしい一年であったと思えるような2009年にしようではありませんか。
今後も皆様方のお役に立てる情報をお届け致します。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引主任者・不動産コンサルタント技能者
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
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