(平成21年8月号) 第56号
この夏は日照時間が少なく雨の多い日が続きました。野菜は高騰し、米の出来が心配です。
気温も少し低く多少過しやすく体は楽ですが、経済に及ぼす影響を考えれば複雑な気持ちです。
今月号では、平成21年7月23日に京都地裁は、「更新料」支払を義務付けた特約は消費者契約法に違反し無効であるとの判決を下したこれにより、今後更新料の取扱がどの様になるのかを考えます。
【更新料を無効とした理由】
① 更新料は更新後に実際マンションを使用した期間の長さにかかわらず支払わなければならず、使用期間の対価である賃料の一部とは言えない。
と指摘し、更新料の必要性に合理的根拠がないと判断した。
② 入居者が契約書で特約の存在を知っていても、その趣旨を明確に説明し、合意を得ない限り、利益を一方的に害することになる。
と指摘、特約そのものが無効だとの結論である。
今までに、借地借家法で更新料が無効であるとの判決は(例外を除き)ない。
しかし、今回消費者契約法上、特約そのものが無効である判決は初めてであり、今後の「更新料」の行方に大きな影響を及ぼすものと思われます。
【今後の更新料訴訟の行方】
更新料の有効性をめぐる裁判は、今なお、各地の裁判所で激しく争われております。その中で注目すべき裁判は、貸主・借主双方が大型弁護団を編成し京都地裁において争われた裁判であります。その結果は平成20年1月30日に更新料は「有効」であるとの判断が下された。
しかし、その後借主が即日控訴、現在大阪高裁で審理が続けられており、平成21年8月27日に判決が言い渡される予定です。
この判決に、今回の京都地裁「更新料無効判決」が少なからず影響があると思われます。
しかし、個々の事案が夫々違う為、この判決により更新料が完全に否定された訳ではありません。
【8月27日の大阪高裁判決に注目】
上記の通り、更新料の有効性をめぐる判断は各地で争われておりますが、今回争われております大阪高裁の判決が「更新料問題」の今後における行方を大きく左右する判決になるものと思われます。
又、今回専門の研究者も巻き込んだ審理が行われており、大きく言えば今後の賃貸契約を左右する判決であります。8月27日の判決に注目しましょう。
今後も皆様方の、お役に立てる情報をお届けいたします。
今後も皆様方のお役に立てる情報をお届け致します。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引主任者・不動産コンサルタント技能者
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
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