(平成21年9月号) 第57号
9月に入っても気温は例年に比べて低い状態が続いております。寒暖の差が激しく、体調を崩さないようにしましょう。また、新型インフルエンザが流行しており「手洗い」「うがい」を励行しましょう
インターネットの普及・人口の減少・高齢化等が現在の賃貸経営を大
きく変えようとしております。そこで今月号では、賃貸業界における
動向予測と今後の対処法を掲載いたします。
【現在は時代の変革期】
戦後の高度成長を支えた団塊の世代は定年退職となり、成熟社会で育った年代層が現行日本経済を引き継いでおります。
高度成長を支えた団塊層は、大量生産・大量消費により単一商品を買う事以外出来なかったが、現在は多種多様な商品が開発され多様化した生活を謳歌しており、そのことは賃貸住宅も例外ではありません。
また、成熟した社会は、大企業優先の時代から消費者優先の時代に変貌しようとしております、消費者契約法、消費者庁の設立、等々の現象はその象徴と言えるでしょう。又政界では民主党が大躍進し、国民の期待を集めており、外交、内政での難題を抱えて新たなスタートを切ることとなります。外交では対米問題、環境問題(CO2排出量25%削減)、国内では官僚主導を打破できるかを国民は注目しております。
国外問題では、対米重視からアジア重視へ姿勢の変化、それによる安保見直し、防衛・自衛隊派遣、地位協定、靖国の問題へと波及してきております。
内需では、成熟経済、人口の減少から需要が減少し、物価は下がりデフレの様相を呈しております。それに伴い大企業では既に国外にその市場を求め、BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)に進出、或いはその計画が目白押しであります。何れにしても日本は大変化の時代に突入したものと思われます。
時代の変わり目は、あらゆる過去の問題が噴出してくるものです。
【賃貸業界の動向予測】
インターネットの普及、人口の減少・高齢化が現在の賃貸業界を180度変えようとしております。
それは、
① インターネット普及により、ユーザーが多くの情報を簡単に得る事ができるようになり、「ごまかしが効かなくなった」。
② 人口の減少により、空き家が年率3%近くの増加が続いており、その結果「需給関係が逆転した」(貸し手優位から借りて優位の時代となった)。
③ 高齢化が進展し、「ライフスタイルの多様化」がはじまった。
以上の通り、インターネットの普及と人口の変化が現在の賃貸業界に限らず、あらゆる業界で、大きなうねりとなって大変動が起きているのが現状です。
【今後の対処法】
◎今後の企業経営
今後人口が減少し、マーケットが縮小するなか、生き残れる企業は「付加価値の高い」商品を取り扱う企業であると思われます。
人口が減少する以上、売上が上向くことは期待できません。狭く・深く・高く売る事が成功の秘訣であります。激変する時代は我々も発想を変える必要があり、取扱商品を絞り、その商品を深く知り、顧客ターゲットを絞り込むことが、商品の値引きをすることなく、高く売る事が出来るのだと思います。
今後のキーワードは「少量生産・付加価値販売」であります。過去の成功体験を捨て、勇気をもって変化に対応しましょう。
一方、インターネットの普及により「ごまかしの効かなくなった」現在、企業においてコンプライアンス(法令順守)を重視することは当然のこと、モラルのある経営を行う事が重要です、①行き過ぎた成果主義、②キヤンペーン、値引き等の無理な集客、③テクニックを駆使した集客、等々での売上向上策は不満を持つ顧客を増やす事になりかねません。100年続く老舗が間違っても大量にチラシをまく事は決してありません。デイトレード型の経営はライフサイクルが極めて短い事を自覚すべきであります。
テクニック重視型の経営を目指すのではなく、長期的な視点で顧客を重視し、着実に会社を存続発展させる経営を目指しましょう。
値引き合戦の終局は自ずと予測されるものとなるでしょう。
◎今後の賃貸経営
従って、賃貸業界における対応策の答えは、多様化する顧客ニーズに全て対応することは不可能であり、効率的にも問題があります。
先ず、多様化する顧客ニーズの中からどの様な物件を提供するのかを決定し、その顧客にターゲットを絞り込み、高い家賃をいただける物件を供給することが必要です。
その為には、ナンバーワン物件を目指すのではなく、オンリーワン物件を目指すのが、狭く、深く、高くを追求するキーワードであります。
今後益々賃貸経営は厳しくなります、時代は大きく変わりつつあります。
賃貸経営は20年・30年と長い期間に渡ります、新たな分野の賃貸物件を家主様と共に開発し、息の長い賃貸物件を社会に提供し賃貸物件を分譲住宅に負けない、質の高いものに致しましょう。
これからの時代は、利益を最優先する経営は、端へと追いやられ、社会貢献型の経営こそが中心となる時代が到来いたします。
今後の賃貸業界の発展は、我々に掛かっております。是非この業界を発展させ、賃貸業を通じ大きく社会貢献できる仕事がしたいものです。小さい力の積み重ねが大きな成功へと導くと思います。
《賃貸も幅の広い分野です、そのどの分野に特化するのかを選択し、その分野のターゲットを決め、適正な賃貸条件設定を行うことにより、オンリーワンを目指しましょう。》
【最後に】
何のためにこの仕事をしているのかをしっかりと認識し、お客さまが喜ばれること、またその喜びが社会の中でどのように役立っているのかを再確認し、軸のぶれない信念を持った経営をして行きます。
急がず、あせらず、コツコツと積み重ねて行くことが重要と考えております。
今後も皆様方の、お役に立てる情報をお届けいたします。
今後も皆様方のお役に立てる情報をお届け致します。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引主任者・不動産コンサルタント技能者
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
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