(平成23年5月号) 第77号
「夏も近づく八十八夜♪♪・・・」、5月は1年を通し大変過ごしやすい季節です。釣り、ゴルフ、テニス、ハイキング等アクティブに過ごしましょう。
今月号のテーマは、賃貸経営を継続して行くのに最低限必要な、入居者募集についてのテクニックをお伝え致します。
【賃貸住宅の近未来】
皆様方ご承知の通り、近年は入居者優位の時代となっており、賃貸経営は年々厳しくなっております。
短期的にはデフレによる経済の停滞、長期的には人口の減少によるところが大きな要因となっております。
不動産業は当然ながら商品が不動産であり、ストック資産と言う特徴から、市場を海外に求める事が出来ません。従って今後の人口動態の変化等からさらなる構造不況が顕在化し、この固定された市場での椅子とり合戦が激化するものと思われます。
又入居者優位の時代は「振り子は極点で必ず逆方向に振り戻す」の原則通り極点に達するまでは入居者優位の方向は変わらないと思っております。
現在の曖昧な賃貸条件である、更新料、礼金、鍵交換料、更新手数料、契約事務手数料等の費用は全て家賃に集約され、入居時には敷金、家賃のみで入居できる時期が近いと思われます。
【入居者募集】
その様な状況下での、入居者募集も厳しい状況となっております。
賃貸業者にとって年々広告宣伝費が高くなり、逆に反響が減少し費用対効果が悪くなる一方であります。業者にとっては広告を打つ場合反響の出る物件に絞り込む傾向が強まっているのが現状です。
売買業者の場合もチラシ等は、自社預り物件は別として他の業者の預かった売り物件は、相場より高いもの、物件の質の悪いもの等は極力広告を打ちません。
賃貸の入居募集も、集客力のある業者であろうと、集客テクニックの上手な業者であろうとも、相場より高い物件は成約に至りません。むしろ営業社員としては、手間と時間を掛けるだけであり取り扱おうとしないのが実態です。
営業社員としては出来れば一回の案内で決まるのが良いのは決まっております。
従って、貸主側としてはユーザーを意識した質の高い、相場家賃以下の物件を提供すれば、賃貸業者はよろこんでその賃貸物件の広告を打ち、優先して案内をしてくれると思います。むしろ各業者が取り合いをする事になると思います。
賃貸業者に頼らない募集、賃貸業者が募集をさせて下さいと頼みに来る物件に仕上げる事が出来れば、勝手に物件情報が飛び交う状態になります。
【客待ちの出る物件にするには】
物件の価値は、その物件建物の質を上げるか、質を求めないのであれば思い切って家賃を下げるかの、二者択一であると再三この紙面で申し上げております。
① その1として、家賃を思い切って下げて行く方法は?
物件の質と、賃貸条件が相場と合致或いは相場以下とした場合に、初めて優良物件となり、客待ちが出来る物件となるのです。
建物が古い物件、駅から遠い物件で全く見向きもされなかった賃貸物件も、それなりの条件にすれば、優良物件と化します。
良くオーナー様から「現在入居されているネットを見た入居者様から、現行家賃より安くなっているので値下げして欲しいと言われるので、値下げして募集はしない」との言葉をよく聞きますが、下げて欲しいと言われても満額回答する必要はありません、幾らか下げてあげれば入居者は気が収まるものです。
又、相場より高い物件に永く住まれる事はありません、何れ他に良い物件があれば突然に出て行かれるのが落でしょう。
又、現在は相場より少しでも高ければ見向きもされない状態です。その原因はインターネットの普及により、容易に類似の賃貸物件の比較が出来るようになったのがその要因です。
ネットの時代、秘密行為は厳禁です。全てをオープンにし、ユーザーにとって良い事をするのがこれからの成功の秘訣ではないでしょうか。
入居中の借主家賃を下げ渋り、部屋が3室も4室も空いたままにしておくのも如何かと思います。月額5万円の家賃であれば、15万円~20万円も収入が減り年間に換算すれば180万円~240万円の収入が減っており、5年もすれば900万円~1200万円入るべき家賃が入っていない事になります。5年は直ぐに経ちます、早期に対応すべきであると思いますが如何でしょうか。
② 建物の質を上げて行く方法は?
色々な業者が有り、色々な方法があります、建物にお金を掛け過ぎるのは如何かと思いますが、最小限の建物の維持管理、改装は必要であると思います。
一度この機会に検討されては如何でしょうか?
色々な技術を持った業者も多々あります、是非研究をなさって見ては如何ですか。
【結論として】
建物を顧客ニーズに合った賃貸物件にする為に、建物の維持管理費、改装費用、リノベーション費用を惜しまず。
募集条件を相場以下とすれば、必ず優良物件となり、賃貸業者から客付け依頼が多く入る様になると思います。
そのバロメータとして、空室の問い合わせが賃貸業者から多く入るようになり、案内が多く有るようであれば間違いなく優良物件です。
対応を怠った物件は、賃貸業者の営業社員の頭から外され、空室確認もなくなり、当然案内も皆無となります。
是非日々の対応を怠りなく実施される事をお願いします。
今後も皆様方の、お役に立てる情報をお届けいたします。
宜しくお願いを申し上げます。
今後も皆様方のお役に立てる情報をお届け致します。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引主任者・不動産コンサルタント技能者
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
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