アメリカ合衆国第45代大統領にトランプ氏が就任することになった。トランプ氏はアメリカ第一主義を唱えアメリカを強くする公約を掲げている。
今、先進国の各国は自国重視(内向き)傾向にあり、グローバリゼーションの逆行である。トランプ氏は大統領就任と同時にTPP離脱通告すると宣言したことによりTPP発効は厳しくなった。今後は二国間協議に委ねられることになるが、非効率極まりなく時間がかかることになる。
現在の中国のようにルールを無視した言動が容認される世界、或いは個人・家族・自社・自国だけが良ければよい利己主義的な考えは如何なものか?
今後は、地球全体で共存共栄の世界を作る必要がある。その為には世界の共通ルールを作り公平公正な競争社会を実現することが必要であるはずだが?
日本の人口は2055年に9千万人になるとの予測であるが、平均すると年間78万人減少することになる。その人口は浜松市(80万人)、熊本市(73万人)に匹敵し、毎年その一つの市が無くなってゆくことになるに等しい。
又、その減少する人口構成は、賃貸入居者ターゲットである20代30代の人口減少が激しく、賃貸業界に及ぼす影響は大きい。
一方、相続税負担の増加から、不動産による相続税対策による賃貸マンションの建築が増加することと、不動産への積極的な金融による賃貸物件への投資増化等々の要因から賃貸戸数が増加している。
その様なことから、当然ながら空室は益々増加して行く事になる。
平成25年土地統計調査によると、日本全体の賃貸住宅空室率は22.7%となっており、平成35年には30%を突破する予測となっている。
地域によっては今後大変に厳しい状況を迎えることになる。
それは、建物の老朽化の問題である。日本の賃貸住宅平均築年数は20年を超え大きな転換期を迎えることになる。
20年まではキャッシュフロー(CF)がプラスとなるが、20年を経過すると、家賃収入の減少、稼働率の減少、修繕費等の経費増加、加えて年数が経過した事による減価償却費の減少、或いは借入金利の減少等による所得税の増加によって、CFはマイナスとなり賃貸経営は厳しくなる。
今後は、築30年を経過した賃貸物件数は、15年後にはゼロになるとの予測がある。
今、築20年以上経過した賃貸物件の出口戦略を考えざるを得ない状況にあることは事実のようだ。
出口戦略とは、築20年以上経過した賃貸物件をどの様にするかの対応策である。
「物件の寿命を延ばす」「家賃を下げてゆく」「用途を変更する」「売却をする」「そのままにしておく」等々の対策のことである。
今後、物件ごとの詳細な分析を行い、その物件の出口戦略を立ててゆく必要に迫られる事になる。
以降に記載する内容は、出口戦略の中で物件の寿命を延ばす話である。
出口戦略で今後も賃貸物件として存続させて行くことの結論に達した場合は、他物件に負けない賃貸物件にして行き、自物件が今後の賃貸市場の中で勝ち残って行ける対応をすることが必要である。
今までは、「家賃を下げる」「ADを増額する」「初期費用をゼロにする」「フリーレントにする」「成約者にプレゼントをする」・・・等々の、小手先の対応で入居者が決まっていたが、ネットが普及した現在では小手先の営業では入居が決まらなくなって来た。
今後はネットを見て魅力を感じる物件にすることが必要である。
お部屋探しのツールは「情報誌」「チラシ」「電話帳」「看板」等から「ホームページ」に移り、現在では「大手ポータルサイト」以外に反響は取れなくなってきた。
大手ポータルサイトには、現在存在する賃貸物件のほぼ100%近くの物件が掲載されており、他物件と比較されることが多くなり、価値のある物件以外は見向きもされなくなって来た。
ネット上で選ばれる物件に仕上げてゆくことが勝ち残れる条件となる。
その為には、「建物の外観を良くする」「建物廻りを奇麗にする」「設備を新しくする」「部屋をニーズに合った改装をする」「間取りを変える」等々の物件の価値を上げ、他物件に対抗できる物件にして行くことが重要となる。
古くなったから一度に色々な工事を行う事になれば、多額の工事費用が必要となります。
日ごろから、少しずつ計画的に物件の価値を上げるための工事(外装・内装・建物維持管理)を行う事が必要である。
部屋のリフォームも入居中はできませんので、空室が出る都度こまめに行って行く事が物件の価値を維持して行ける事に繋がります。
又、工事費は節税対策にもなり一石二鳥の効果がある。
今後、10年・20年の為に必要不可欠な対策であると思われます。
宅地建物取引士・不動産コンサルタントマイスター
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
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