(平成24年1月号) 第85号
新年明けましておめでとう御座います。
本年も引き続き宜しくお願いを申しあげます。
今月号の「耳より情報」で85号(7年1ケ月目)となりました。
今後も引き続き皆様方のお役に立てるよう頑張ります。
【昨年を振り返り】
平成23年は大変な年になりました。特に東日本大震災においては多くの人々がお亡くなりになり、今もなお多くの方が避難生活を余儀なくされております。 避難生活をされております方々には一刻も早く元の生活に戻れるよう、国を挙げてご支援をしなければなりません。 又経済面では円高が進行し一時75円台を付けるに及びました。その為輸出産業の打撃は大きく、国内の空洞化が益々進行することとなっております。 長期間続くデフレ経済、少子高齢化、人口減少、雇用問題、若者の失業、生活保護世帯の増加、政治問題、等々早期の対策が必要なものが山積しております。 一方、国外でもヨーロッパの債務問題、米国景気の悪化・高失業率、新興国の景気の陰り、等々なにを取っても悪い状況ばかりの年であったように思います。 本年は、辰年「昇り竜の如く」全てが好転し上昇したいと願うものです。
【今年の願望】
1) 震災復興の年、被災地復興の為に数十兆円のお金が投入される。
2) 欧米の景気が上向く状況があれば、多少の円安も有りうるのではないか。
3) 消費税が上がるとなれば駆け込み需要も考えられる。 良い方に捉えれば今年は多少景気が良くなるのではないか? 年の初めに当たり、願望を込めてその様に願うものです。
【年代格差の是正議論に思うこと】
昨今は、報道関係による高齢者と若者との間に大きな所得・資産格差が生じているとの報道が多くなって来ております。 当該「とまとハウス耳より情報」をお読みの方々は、賃貸不動産オーナーの方が多く、比較的所得・資産の多い方々でありご高齢の方が多いと思われます。私も団塊の世代の最終年に属する年代であります。 この度、大阪市長に就任された「橋下徹」氏は既得権益を壊し、その財源で市民サービスに注力すると言われており多くの市民の注目を浴びておられます。 その橋下氏が先日「若者の票を頂いて当選した、その若者たちの活力を取り戻すためにも世代間格差の是正を促進しなければならない」と言われており、私もその通りであると思います。 又、新聞・雑誌等にも連日「世代間格差」の記事を目にする機会が多くなったように思われますし、テレビの討論を見ていてもその様に感じる事が多くなりました。 しかしながら、高齢者(団塊の世代)の側から言わせてもらえれば、この団塊の世代は戦後の「産めや増やせ」の時代に誕生した世代であり大変人口の多い世代であります。その為、受験戦争から始まり、田舎から都市部への人口移動世代で就職戦争、就職後には出世争い、戦後の高度成長を支え、血の出る思いで貧困時代から裕福な日本を築き上げた人々であると思っております。 その団塊の世代が老後の人生設計を現在の年金制度に照らし合わせ描いて来たライフプランが否定されようとしているのは如何なものか・・・・・・ 数十年前から、高齢者を現在の若者が支えられない事は明白で有ったのではないのか? 未だに年金の収支が明確に国民の前に提示されないのは何なのか? 官僚は民主党が野党時代に議員にすらその収支を明確に提示してこなかった。 財源が足らない議論だけでは国民は納得しないのではないのか? 今まで年金をはじめとする社会保険は政治家、官僚の好き放題に、年金会館、グリーンピア(年金保養施設)、ケアプラザ(労済施設)、等々全国に何百施設と箱モノを建築してきて将来の社会保険積立金を使ってきたのは誰なのか。 今更、年金を減らす・支給年齢を遅らせる、医療費負担を増やす、高齢者の税負担を増やす、資産税を増やす、等々・・・・・トホホ・・・・・・・・・・・・・・ 愚痴を言っても始まりませんが、現実に戻れば仕方がないのでしょうか? 二度と国民が騙されないよう、我々が政治、行政を厳しく監視する必要が有ると思いますが如何でしょうか。
【いよいよ世代間格差是正が始まる】
大阪のダブル選挙結果を見てみますと、やはり若者が投票に行った事が結果を左右した様に思います。 今まで、お年寄りは選挙に行き若者は投票所に行かなかった。どちらかと言えば政治家は投票をしてくれる高齢者の意見を良く聞く傾向に有ったが、今回の選挙結果でその傾向も変わるものと思われます。 所得税は震災の関係があり期限付きで上がることとなり、消費税、相続税の増税議論は進行中であります。 日本の財政からみれば当然財源の早期確保が必要であることは明白であることは事実であり、それまでにやらなければならない行財政改革は別として、財源の確保は喫緊の課題であります。 その財源の確保の標的は、消費税でありますが、資産税の強化即ち資産保有税、相続税の強化も当然ながら上ってくるものと思われます。 90歳の親から65歳の子供が相続を受けてもその事が消費拡大に繋がるとは思われませんが、若者への資産移転、所得移転を促進する方向は変わりません。 国も、親から子への「住宅取得資金贈与の非課税特例」「相続時精算課税制度」等の特例措置で資産、所得の移転を奨励しておりますが、もっと大胆な制度が必要であり、今後益々資産税・相続税の強化の方向に進む事は確実な情勢です。
【まとめ】
国の借金が1000兆円を超える状態のなか、今後10年間の猶予期間に改革を進めプライマリーバランスを正常化する必要があります。 このまま10年を経過すれば「ギリシャ」の二の舞になりかねません。 今後日本国民にとって大変な痛みを伴う改革が待っている事は確かです。 世代間格差の是正は高齢者から若者への所得移転であり、高齢者の所得を減らし負担を増やす事であります。その為の政策は今後強化される事は必至であります、その具体策は今後徐々に出てくるものと思われます。 税と社会保険の一体改革で、高齢者へ「年金」「医療」「介護」等の支給、支援を減らし、負担を増やす事となります。 総務省統計調査では、60歳以上の所有する金融資産の割合は60%を超えており、50歳以上でみると80%を超えているのが実態です。 又不動産所有割合も60%を超えており、金融・不動産資産の殆どを高齢者が所有している事を物語っております。 お金を使うのは若者であり、高齢者はお金を使わない。従って消費が拡大しないので景気も良くならない。 今後は、高齢者の所有する資産を標的に税制が改正され若者への所得移転を図り若者の活力が出る対策がなされるものと思われます。 社会の変化に応じたルールの変更は世の常であります。社会の変化とは個人の意識の変化であり、その個人の意識の変化を的確に捉え今後のルール変更の予測を行い、早く対策を講じておく必要があるのではないでしょうか。
今後も皆様方のお役に立てる情報をお届け致します。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引主任者・不動産コンサルタント技能者
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
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