(平成23年11月号) 第83号
京都も観光客が増えて来ました。震災以降外国人の観光客が激減しておりましたが、回復基調にあるとの事です、11月末前後には紅葉も見ごろとなります。
【今後日本経済の成長分野とは】
我々は、日本の経済や社会の変化を読みとる力が必要であり、その様な中で私たち個人がどの様な対策と心構えが必要なのかを考える必要があります。
日本の財政は赤字状態(プライマリーバランスの赤字)が20年以上続いており、国の借金はついに1000兆円を突破しました。
その原因は政府が困難な問題を先送り先送りにして来た付けが現在の状況を招いている。自民党政権の時代には様々な業界を支援し調整を先延ばしにして来たが、現政権にはもはやその余力はない。
政治的決断が出来ないのはその政治システムに問題があるのか、我々選挙の有権者も反省をする必要があると思われます。
前経済産業省の「古賀茂明さん」の著書を読みましたが官僚の世界も酷い状態が続いているものであると再認識させられた次第ですが、その官僚を使いこなすのが政治家であるにもかかわらず、相変わらず官僚天国の状態であるのが現実の様です。
選挙のプロフェッショナルではあるが政治には素人の様な気がしますが、既得権益を守り、既得権から利益を得ている団体から見返りに票を貰う選挙も終焉に近づいているものとおもわれます。
ズバリ国民の意志を反映した政策を掲げ選挙に臨めば必ず勝利することは政治家も十分にお分かりになっておられると思いますが、それが何故できないのかが問題であり、それが過去の政治システムであるのではないかと思っておりま
す。
さて、今後の日本経済の成長分野ですが、①環境、エネルギー ②医療、介護、健康 ③観光の分野が今後の日本の成長を牽引する分野であると言われております。又農業分野においても今後の成長分野の一つであります。
この様に見てみますと、色々な規制がありその分野に自由に進出出来ない分野が今後の成長分野であります。
今後日本の成長を牽引する分野が、既得権益を守るために規制で雁字搦めにしているようでは日本に未来はないものと思われます。早期に制度設計、規制改革、税制等の総合的な政策を実施してもらう事を期待するものです。
【生き残りへの課題】
1)現状の市場で勝ち抜く
少子高齢化等の要因で市場は縮小して行く一方であります。
しかしその様な中で、一生懸命に努力しその熾烈な市場の中で
勝ち組に入る事である。
2)今置かれている業界の中で生き残れる努力をする
競争相手を打ちのめして何とか生き残る努力をすることである。
市場縮小の中で様々な分野で過剰供給が続いており、
その結果壮絶な生き残り競争を繰り広げている。
勝ち残ったものは、市場を独占し安定した利益を享受できるのである。
3)他社との違いや特徴を明確にする
何度も申し上げております通り、新たなビジネスモデルを構築し
他社との差別化を図れば、多大な利益を生み出せる。
以上の三点を踏まえてどの戦略を選択するのかが重要であります。
しかし「現状の市場で勝ち抜く」「今置かれている業界の中で生き残れる努力をする」と言うのは、この二極化する市場の中では、大手企業が取り組む施策であり現在大変な競争が行われている。但しそれは日本国内の問題であり、海外に特にアジアに市場を求めるのであれば①②の対策も有効であると思われます。
我々中小零細企業の取り組むべき課題は③が有効であると思っております。
新たなビジネスモデルを構築する事を最重点に取り組むべきであり、我々に取ってそれが最大の課題であると考えます。
【我々が取り組むべき具体的方策】
現在の日本は、生活水準が高止まりし、更なる経済成長は望めず「量から質への転換」が図られようとしております。
又企業は「減産し質を高める」方法でしか生き残りが出来ない時代へと突入しました。
先進国でも同様の問題が起きており、企業が減産をすれば企業規模の縮小により当然ながら失業者が増加し欧米では貧困者の反対運動が激化しております。又西側諸国(ヨーロッパ)では債務問題で揺れており、今世界は予断を許されない状況下にあります。
我々賃貸業界もその流れを確り認識し、対応策を考える必要があります。
量から質への転換とは、現在日本全国で空前の空き室となっておりますが、それは人口が減少する事を想定すれば今後益々空き室の増加は予測出来ます。
しかし入居者のニーズは多様化し一般的な間取りの賃貸物件では満足をされない状況となっており、その多様化するニーズにどの様に対応するかが質への転換であると思っております。
その質とは、多種多様な賃貸物件の中から場所、地形、面積、環境等々からどれを選択するのかを決定しその質を高めて行く事である。
又既存の賃貸物件をどう活かすか、国の推奨するストックを活かす方策が必要不可欠であると考えます。
従って、我々中小零細企業の取るべき戦略は、大手企業の進出出来ない分野を見極め、独自のオンリーワン事業システムの構築ではないのでしょうか。
具体的には、前述の今後拡大する分野を取り入れた賃貸物件の供給と、既存物件を活かすビジネスとして、高齢者住宅に医療、介護、健康、省エネ、環境、分野を絡めた新たなシステムを構築できればと思いますが、如何でしょうか?
今後も皆様方のお役に立てる情報をお届け致します。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引主任者・不動産コンサルタント技能者
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
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