(平成23年2月号) 第74号
2月3日の節分も終わりました。節分とは季節の分かれ目との意味でありますが。まだまだ春は遠い様です。
1月号では、賃貸業者がどの様な業務を行っているのかをご紹介させて頂きました。
今月号では先月号に続き、部屋情報の流れ、適正家賃の設定方法について記載させて頂きます。
【部屋情報の流れ】
皆様方が賃貸業者に募集をかけられる方法は色々ですが一般的には下記の通りです。
1) 代理業務 ⇒ 家主様に代わり賃貸の募集から契約迄のお世話をする業務です。
2) 専属専任媒介契約 ⇒ 他の業者に重ねて募集の依頼をできない以外に御自分の探された顧客もその業者を通じて媒介をしなければならない契約です。
3) 専任媒介契約 ⇒ 他の業者に重ねて募集の依頼が出来ない契約です。
4) 一般媒介契約 ⇒ 色々な業者に依頼が出来る契約です。
「以上の契約は書面で交わすのが一般的ですが、口約束(諾承契約)でも可能ですが後で揉めないよう書面で交わしましょう」
以上を比較すると、色々な業者に依頼が出来る「一般媒介契約」が良いように思われるのは当然です。しかし賃貸業者が「一般媒介契約」で媒介をお受けすると、その店舗に来られるお客様のみにその情報を紹介するのであって、他の業者に情報発信する義務がなく、レインズ(業者間ネット情報)に登録したりすることはありません。
従って、多くの業者に依頼している様で、実は特定の業者以外に情報が流れていないのが現状です。
「専任媒介契約」以上の契約によりその預けた業者に責任を持たせた方が、実は情報が多く飛び交う事になります。
(但し、預ける業者の情報発信能力の低い業者は避けるべきです)
前月号で記載させて頂きましたが、これからの媒介業務はインターネットを制した業者が有利な時代となりました。
日進月歩を続けるインターネットに力を入れている業者を選ぶべきであると考えます。
又、インターネットは費用負担が大変です、その為にFC(フランチャイズ)に加盟し、その多大な費用を分担してお互い(FC店舗間)の利益に預かる流れが強い様ですし、費用負担も小額で済み多大な投資の必要が無くなります。
但し、月額のロイヤリティは少額ではありませんが分割で支払う為に負担感が少ないのがメリットかも知れません。賃貸業界も2極化の方向にあります。
業者様によってはインターネットに大変力を入れておられる業者様がありますが、個々の業者様のホームページでは集客に限界が有るようです。
【適正家賃の設定】
今までの記載した情報発信方法が全て網羅されているにも関わらず、長く空室が続いている様な場合は、適正家賃になっていないと思われます。
適正家賃とは、近隣、同質の物件と比較して同等もしくは低い設定がなされているかであり、それを再検証する必要があります。
場所、住環境、利便性、築年数、間取り、広さ、等々が現在募集中の同質の物件と比較して、敷金、礼金、家賃、共益費等が適正であるかを検証して見て下さい。
その方法は、賃貸業者を2~3社訪問し窓口で営業担当者に確認してください。
家主様であれば親切に教えてくれると思います。(但し、経験の浅い担当者では詳しく分からないかも知れません)その場合はもう少し多くの業者を訪問する必要があります。最低3社程度は聞いて欲しいものです。
そうすれば家賃相場が掴めると思います。是非お試し下さい。
【家賃を下げれば良いのか】
相場より高い家賃であると分かれば、早急に募集家賃を下げる必要が有ります。ただ下げ続けるのが良いのかと言えば、その様な訳ではありません、下げ続ける事により入居者の質が悪くなる事例は多いようです。
従って建物、部屋の質を上げる事(リノベーション)或いは、維持(リフォーム)する事により家賃を下げずに済みます。
費用は掛かりますが賃貸経営には必要不可欠な要素であると思います。
どの様に質を高めて行くのかは、専門家に御相談下さい。
顧客ニーズも大変なスピードで変化しております。
又益々多様化し多種多様な顧客ニーズが有る事を理解する必要があります。
最近は、大衆受けする部屋よりも、100人の中で1人に選ばれる部屋の方か稼働率が高いと言われております。
それだけ一般的なお部屋が余って来ている証ではないでしょうか?
今後も、建物の質と家賃の関係は家主様にとって永遠の悩みであると思われます。
今後も皆様方のお役に立てる情報をお届け致します。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引主任者・不動産コンサルタント技能者
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
Copyright(C) tomato house co.,ltd. All Right Reserved.