(平成23年1月号) 第73号
新年明けましておめでとうございます。今年は卯年、跳ねる飛躍の年にしたいものです。寒くなって参りました、風邪には気を付けましょう。
いよいよ賃貸シーズンに突入しました。賃貸仲介も年々厳しくなってきておりますが今年のシーズンは如何なものでしょうか? 今回は、募集業務について記載させて頂きます。ご参考にして頂き是非今シーズンには満室にしたいものです。
家主様にとっての募集業務活動は大きく分けて2つに集約されます。
一つ目は、ご自分の空室物件が多くのユーザーに発信出来ているか?
二つ目は、物件に対する適正家賃を見極め、適正な条件設定をしているか?
今月号では、この2項目を考えて行きます。
【賃貸業者が行う募集業務とは】
☆仲介業者が行うべき最大の課題募集業務は賃貸仲介業者の行う最も重要な業務です。
マーケティングと営業が違うのと同じく、賃貸業では集客業務(来店を誘致する)と営業(営業社員が接客する)業務とは違います。
最大のポイントは来店客の数を増やすこと即ち来店を誘致する業務が最大の課題なのです。
仲介手数料売上は 仲介手数料売上=来店客×成約平均単価×成約率(30%)で算出されます。
仲介業者が受け取る仲介成約手数料単価は、家賃の値下がりとともに年々減少しております。ファミーリタイプ、単身用タイプ等まちまちですが、年間平均を取るとほぼ一定の単価となります。
成約率は営業社員の資質にもよりますが平均的には30%程度で一定です。近年は、インターネットから事前に部屋探しをされ来店される為に、営業社員の資質はあまり問われなくなって来ております。従って賃貸仲介業者がなすべき最大の課題は来店客を増やすこととなります。
☆来店客を増やすには
それでは来店客を増やすにはどうしたら良いのでしょうか?
来店客数は業者によって違いはありますが、現在は来店者の70%~80%がインターネットからのお客さまです。
その他の来店理由は「情報誌を見た」「電話帳を見た」「看板を見た」「店舗を見た」「知人の紹介」等ありますが、来店誘致に対する影響力が少ないのが現状です。
従ってインターネット対策に最大限注力している業者が賃貸仲介業介を制することは明白です。
☆インターネット対策の出来ている業者とは?
顧客がインターネットで部屋探しをされるのは、「大手ポータルサイト」か「大手FCサイト」です。
現在ではインターネットから意中の物件を探され来店されるお客様が大変に多くなっております。又、来店をされる場合は事前にインターネットで訪問予定の不動産会社を調べてから来店されるお客様が多い状況です。
なぜなら不動産業者に対し不信感を持たれており、物件の掲載されている各社のホームページの会社概要とか営業社員紹介ページを見られてから訪問業者を決めておられるのが実態です。
従って、インターネット対策の出来ている業者とは、
(1) 大手ポータルサイトに加盟している。
「リクルートスーモ」「ホームズ」「アットホーム」「ヤフー不動産」「アドパーク」
(2)大手FCに加盟している。
「アパマンショップ」「エイブル」「ミニミニ」「ホームメイト」「ピタットハウス」
(3) 業者のホームページが充実しており、安心感が有る。
以上の3点を兼ね備えている業者がインターネット対策の充実している業者であると思われます。
※インターネット広告は大変にお金が掛かります。
例えば、リクルートスーモであれば加盟金以外に、月間に200室掲載すれば105,000円/月が必要です。年間126万円、その他のサイト,FCロイヤリティ、ホームページ制作費及び月額管理費等を含めれば多大な広告費が必要となります。
対応出来る業者、対応出来ない業者、今後益々2極化が進展するものと思われます。
儲けているのはサイトの運営業者だけかも知れません。
又コストの関係上全ての家主様の物件をインターネットに配信する事が出来なくなり、選別をしなければならない時代に入って来ているように思われます。
※上記以外の対策として、年々サイトの加盟業者が増え、登録物件情報の数が急増しており、その為反響率が低下しております。
反響を増やす為には、サイトに配信する物件写真の枚数を増やす(特に水回りの写真)、写真の撮り方を工夫することも大切なネット対策です。
☆インターネットでの部屋探しの変化
インターネットグーグルマップが出来て、マンションの名前が分かるようになった現在、住みたい地域の地図からマンション名を調べ、そのマンション名からネット検索をかけてくるお客様が増加しております。その検索にヒットする対策が急がれます。
その他、インターネットは目まぐるしく進化しております。それに対応出来るよう勉強が必要です。
以上が賃貸仲介業者の取るべき課題です、逆に言えば家主様はご自分の物件を上記の対策を取っている業者に仲介依頼することが重要であると思われます。
一度是非、ご自分の媒介依頼している業者が、ご自分の空室を上記のサイトに配信しているか点検をしてみて下さい。
全てに掲載されていて長期間空室となっているのであれば、家賃が適正でない可能性が高いものと思われます。
紙面の関係上、次月号で家賃が適正であるかどうかの点検方法と、家主様の空室情報がどの様な経路で顧客に配信されるのかを掲載させて頂きます。
今後も皆様方のお役に立てる情報をお届け致します。
とまとハウス 代表者 粟野 則夫
宅地建物取引主任者・不動産コンサルタント技能者
ファイナンシャルプランナー・賃貸不動産経営管理士
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